「天国への手紙」をお焚き上げ あの世とこの世の境「黄泉比良坂」全国から1万2000通(島根・松江市)

「あの世」と「この世」の境目として有名な松江市東出雲町の“黄泉比良坂”(よもつひらさか)。ここに集まった、亡くなった人に宛てた「天国への手紙」のお焚き上げが16日に行われました。約1万2200通もの手紙には、数多くの思いが詰まっていました。
松江市東出雲町の黄泉比良坂。火の中に投げ入れられる手紙。白い煙は、天へと昇っていきます。
古事記に、「あの世」と「この世」の境界として登場する黄泉比良坂。この地にあるのが、亡くなった大切な人に宛てた手紙を投函できるポストです。2017年に地元の保存会とライオンズクラブが設置して以来、多くの人が手紙をしたため、亡き人に思いを伝えてきました。
16日に、この1年間に投函された手紙のお焚き上げが行われ、100人を超える人が集まって手を合わせました。

広島から訪れた人:
父に書きました。2年前に亡くなって、突然の別れだったので、こちらも受け止められなかったんですけど、ここがあると聞いて、ちょっと繋がりたいなと思ってきました。こっちのみんなは元気で過ごしているので、安心してください。孫たちの成長を見ていてほしいという気持ちを手紙に書きました。

このポストは、2023年に全国放送の番組で取り上げられたことから注目度が上昇。
前の年の6倍以上となる約1万2200通の手紙が火にくべられていきました。

福岡から訪れた人:
(母へ)また生き返ってとか書きました。(母は)95になっていたんですけど、あきらめきれなくて、どうしてもまた会えたら。(母は)未練がない人なので、全然夢にも出てきてくれなくて、本当に冷たいんですけど。

生前伝えられなかった思いや感謝の気持ちが届くように。白い煙が空高く上っていました。

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