鹿児島県警の「闇」解明へ、百条委設置案が浮上 県議会「自浄能力の発揮難しい」 相次ぐ不祥事や前部長による「隠ぺい告発」

〈資料写真〉鹿児島県警本部

 鹿児島県警の相次ぐ不祥事の真相解明へ、県議会に調査特別委員会(百条委員会)の設置案が浮上している。17日の県議会会派代表者会議で県民連合が提案し、各会派は意向をまとめるため持ち帰った。7月にも可否の結論が出る見通し。設置されれば県議会として初となる。

 百条委は地方自治法100条に基づき、地方議会が自治体関係者の関わる疑惑や不祥事の真相などを究明するために開く。設置には本会議で出席議員の過半数の賛成が必要となる。

 提案後の議会運営委員会で、県民連合の福司山宣介会長が改めて説明し、「県警内部では自浄能力を発揮することは難しい。調査権を持つ委員会での議論が必要だ」と話した。不祥事の要因解明や信頼回復への再発防止策などを議論の主なテーマに挙げた。

 取材に対して、開催の可否を左右する最大会派・自民県議団の西高悟会長は「県警をただしてほしいとの声が県民から多数寄せられている」と一定の理解を示し、まずは18日の団総会に報告するとした。公明の松田浩孝団長は「方向性には賛同するが、百条委が最適か検討する必要がある」と語った。残る共産、無所属の岩重仁子議員は賛成。

 百条委は通常の委員会より強い権限を持ち、調査対象の関係者に出頭や証拠や記録の提出を要求することができる。正当な理由なく拒否したり、うその証言をしたりした場合は罰金や禁錮が科せられる。

〈関連〉百条委員会の設置が提案された議会運営委員会=17日、鹿児島県議会

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