姫路城の入城料、外国人の値上げ検討 数倍程度、市長が示唆 市民は値下げ? 実現は不透明

姫路城(左奥)の入場料について話す姫路市の清元秀泰市長=17日夜、姫路市駅前町(撮影・辰巳直之)

 世界文化遺産・国宝姫路城(兵庫県姫路市本町)の入城料について、姫路市が外国人観光客に限った値上げを検討していることが17日、分かった。清元秀泰市長が明らかにした。値上げ幅は現行(18歳以上千円)の数倍程度になる見込み。ただ、料金改定には文化庁との協議が必要だが未実施で、最終的に値上げとなるかは不透明という。 ### ■オーバーツーリズム対策も

 清元市長は同日、市内で取材に応じ、世界遺産の入場料金について「諸外国では二重価格の導入がスタンダードになっている。姫路城でも検討したい」と述べた。

 16日に同市で開かれた国際会議「防災グローバルフォーラム」関連の催しでも、「7ドルで入れる世界遺産は姫路城だけだ」「外国の人には30ドル払っていただき、市民は5ドルくらいにしたい」と訴えていた。

 最近の円相場は1ドル=157円台で、18歳以上の外国人観光客の入城料を仮に30ドルに値上げした場合、日本円換算では4710円となる。市民の5ドルは今より安くなる。

 市によると、漆喰壁の修繕など城の維持管理費に充てるため、入城料の値上げを検討。外国人観光客の入城料を大幅に上げ、オーバーツーリズム(観光公害)対策につなげる意向もある。

 一方、文化庁によると、国内の城郭施設で二重価格を導入した事例は聞いたことがないという。同庁文化資源活用課の担当者は「まだ協議をしていないので、実現できるともできないとも言えない」と答えた。

 市によると、姫路城の2023年度の総入城者数は147万9567人。うち外国人は約3割の45万2300人で過去最多だった。(井上 駿)

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