POTM選出のエリクセンがユーロ“復帰”の喜びを語る「前回大会と全く違う物語」17分に先制点をマーク

写真:スロベニア戦で先制点を記録したエリクセン©Getty Images

デンマーク代表MFクリスティアン・エリクセンが、Player of the Match(POTM)に輝いたUEFA EURO 2024(ユーロ2024)の初戦のスロベニア代表戦を振り返った。『UEFA.com』が伝えている。

2021年6月12日、エリクセンは前回大会のUEFA EURO 2020フィンランド戦の試合中に、心停止を起こしピッチ上に倒れた。懸命な蘇生処置、治療を経て、植え込み型除細動器(ICD)を装着し、8カ月後に復帰を果たした。

セリエAではICDを装着してのプレーが認められておらず、当時所属していたインテルを退団し、プレミアリーグのブレントフォードに移籍。2022年夏に、現在も所属するマンチェスター・ユナイテッドに加入しプレーを続けている。

そのフィンランド戦から1100日後となった、今大会のスロベニア代表戦。エリクセンはユーロ復帰を果たすと、17分に先制点を挙げる活躍を見せ、UEFA公式のPOTMに選出された。「今回のユーロは、前回大会と全く違う物語となった」と復帰の喜びを語り、次のようにスロベニア戦を振り返った。

「試合に臨むにあたり、自信はあったし、プレーできる幸せをただ噛みしめていた。ユーロでプレーすることはいつでも特別なことなんだ。今までユーロで得点したことは無かったから、うれしかった。頭の中は常にサッカーのことばかりだったし、得点でチームに貢献できたことは幸せだよ」

また、かつてチェルシーやエヴァートンでプレーした元スコットランド代表のパット・ネヴィン氏は、イギリス『BBC Radio 5 Live』でエリクセンの得点の背景に着目し「感動の物語」と語り、以下のように続けた。

「(エリクセンが心停止した時)関係者全員が衝撃を受けた。そして私はすぐに彼の家族のことを思った。サッカー界全体が恐怖に陥ったが、そこからサッカー界の医療体制が素晴らしいことを学べた点はポジティブ。そしてあのゴールはデンマークのファンにとって、特別なものになったと思う」

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