新モードで時間を越えたミッションへ!新規プレイヤーも複雑なゲームの美味しいとこだけ先につまみ食い『X4: Foundations』第5弾大型DLC「X4: Timelines」【プレイレポ】

新モードで時間を越えたミッションへ!新規プレイヤーも複雑なゲームの美味しいとこだけ先につまみ食い『X4: Foundations』第5弾大型DLC「X4: Timelines」【プレイレポ】

注意:本記事で紹介するDLCは、過去に発売されたDLC以上にストーリー性の強い内容となっています。極力内容には注意を払っていますが、プレイレポという形式上、どうしてもネタバレとなってしまう部分もあります。ですので、事前情報無しのフレッシュなゲーム体験を考えている方は、現時点でブラウザバック等を行うことを強くお勧めします。

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6月21日にオープンワールド宇宙シム『X4: Foundations』の第5弾大型DLC「X4: Timelines」がリリースされます。既に発売から6年近くが経過した、しかし代えが効かない唯一無二の魅力を持つ大型オープンワールドゲームの新たな拡張となる今回のDLCですが、このタイトルを初めて目にしたときに頭に疑問符が浮かんだシリーズのファンは少なくないでしょう。極めて真っ当な反応だと思います。かく言う筆者も同様でした。

というのも過去のDLCを振り返ってみると、いずれもその内容がある程度名称から想像できるものがほとんどでした。しかし、第5弾大型DLC「X4: Timelines」、その名前からはちょっと内容が思いつかないですよね?そんな年表だなんて言われてもねぇ、まさか歴史家にでもなれなんて訳でもなさそうですし……。


ということで、改めて本記事で扱うコンテンツを紹介すると、Egosoftが日本時間2024年6月21日にSteamにてPC(Windows/Linux)向けにリリース予定の、宇宙シミュレーション『X4: Foundations』の第5弾大型DLC「X4: Timelines」です。

本稿の執筆に際してはEgosoftより提供された開発版を使用しています。6月21日リリース予定の正式版とは内容が異なる部分もあるかもしれませんが、予めご了承下さい。

本DLCで語られる物語の主人公はそれなりに熟練の交易商、ハーパー・ドネル。一旗揚げようとした矢先に海賊に絡まれたハーパーは、数機を返り討ちにするも放たれたミサイルにより絶体絶命の窮地に陥ります。あわや船諸共に爆散する、そう諦めかけた矢先に謎の泡状の空間に包まれつつ正体不明の女性に声をかけられます。

ここでそのまま死ぬかそれとも仲間として生き延びるか?その問いに答えたハーパーは、謎の女性ことリッサ・イゴンとパラニド人のタマンクトール、そして球体機械のミッションディレクターたちの仲間として、連れられた謎の施設に閉じ込められ、時間の壁をも越えた任務の数々を行うことになるのでした。

「Timelines」の意味とは?ハーパー・ドネルの運命は?そしてミッションディレクター含め謎多き組織の正体は?気になることは山ほどあるかもしれませんが、そこは製品版で確かめていただくとして、本稿では語れる範囲内でDLCの内容をご紹介していきます。では早速参りましょう。

え、新モード?そして開始後数分で海賊の餌食に…ハーパーの運命や如何に?

では、早速ゲーム開始。実は本DLCでは、従来のオープンワールドサンドボックスから独立した「タイムライン」モードが新たに導入され、こちらを進めていくこととなります。

え?いつものオープンワールドのコンテンツ拡張じゃないの?と思った方は読み進めていただければと思います。なおDLCに応じて変化する本作のタイトル画面ですが、今回は紫色のビームが特徴のカークが大暴れしています。

ゲームを始めると主人公ハーパー・ドネルによるモノローグが始まります。広大な宇宙で一旗揚げようと意気込むハーパー。まるで新規ゲームを始めるプレイヤーの心境そのものです。交易で大金持ちになる、その野心大いに結構。そして意気揚々と出航して海賊に絡まれる、これもテンプレみたいな成り行きです。

まぁ、これから先も交易商をする限り海賊連中とは切っても切れない縁でしょう。落ち着いて反撃で追い返すハーパー、一機また一機といい感じで戦闘を進めています。と、ここで3機目はミサイルを発射、マズイことにこれは直撃コースです。所詮こちらは民間船、軍用艦ほどのシールドも装甲もありませんから当たれば大損害は必至です。

いきなり登場しての詰み宣告、実際そうなんですけどね

と、ここで謎の泡状空間と共に女性が登場。謎の女性ことリッサ・イゴン曰く「基本的にあなたは詰んでると思って」だって。反論の余地もない現状に基づくお言葉ですね、悔しいですが異論ございません。この危機を脱するための選択肢は一つ、彼女らの仲間となることだそう。…断ると「ああそうですか、ではさようなら」で終わりそうな人生、可能性に賭けるしかありませんよね。

かくして気がつけば謎の施設へとご招待されたハーパー、人間と変わらないような受け答えのできる超高度なAIを持つらしいミッションディレクターなる謎の浮遊機械と、パラニド人のタマンクトールも一緒です。どうやらこの施設で様々なミッションをこなすエージェントとなることが期待されているようです。

さらにはここは西暦2042年……『X4』の舞台となる時代の数百年前なのだそう。危機的状況から一転しての展開、まるで異世界転生モノみたいな流れじゃないですか。

その「ミッション」をこなすために使われるのがこの装置、遠くからは試験管っぽい何かに見え、近くに寄るとこんな感じの大掛かりな「ノードゥス・インターリンク」です。…あの~、「ノードゥス」って何ですかね?検索エンジンさん曰くラテン語で絆を意味する言葉、あるいはトンボ目の交差静脈の別称らしいですが、余計意味が分かりません!

新モードはミッションベース。お手軽に様々なシチュエーションを体験できる

気を取り直してノードゥス・インターリンクを使ってミッション選択画面を見てみましょう。ミッションは比較的小規模な通常シナリオである複数の「ノードゥス」と、アンロックに条件のある大掛かりな「ターミナス」という2種類が存在しており、それらが一定数まとまった「グラフ」単位で段階的に開放されていきます。

各ミッションでは終了後に結果が諸条件からスコア化されます。クリアに要した時間や戦績、また被ダメージといったパフォーマンス的な側面のものが主なものとなっています。ちなみに一部のミッションで一定以上のスコアを獲得することで、今までのオープンワールドサンドボックスモードの特定宙域に特殊な船が放棄された状態で出現するようになったり、今まで稼働していなかったゲートが稼働し新たな宙域が開放されたりなどの特典があります。

オープンワールドサンドボックスモードの拡張DLCとしてみるならば、本DLCは古き良きスペースフライトシムのようなミッションベースな進行の「タイムライン」モードのストーリーを進めながら、様々な要素をアンロックすることが目的です。

そしてこの「タイムライン」モードで重要なこととして、個々のミッション自体はそれぞれ完全に独立しています。毎回最初からになりますし、ミッション中のセーブもできません。なお「タイムライン」モードの進捗自体はオートセーブです。

内容自体も多種多様で、宇宙船や宇宙服でのレースから特定目標の護衛、また敵の殲滅などバリエーションに富んだものとなっています。中には自身の手による採掘など、人によっては普段滅多にしないような内容のものもあるので新規プレイヤーには良い練習に、熟練プレイヤーでも新鮮な体験が楽しめます。基本的に物語を進めるのには高評価が要求されないのも良いところでしょう。代わりにオンラインリーダーボードが存在しているのでスコア競争も可能です。

アップデート7.00ではチュートリアルも刷新で初心者により優しく

また、「X4: Timelines」のリリースに合わせてアップデート7.00も実装されます。チュートリアルが詳細に刷新され、グラフィック面などの改良も行われているので、こちらもお楽しみに。

ちらっと見えるターミナス名は「ブレナンの試練」、…ブレナンと言えばひょっとして初代『X』主人公?

謎は積み重なるばかり。果たしてハーパーたちの運命は……?

ちなみにノードゥスは難局といった意味もあるようで、ミッションはどれも一筋縄ではいかないものばかり。それに『X4』から見て過去の時系列で展開する各ミッションの登場人物にはニャナとかタルカとか、ゲーム内エンサイクロペディアを中心にどこかでその名を聞いたことのある作中世界の有名人が数多く登場します。後世に名を残すほどの著名人のお手伝い、ハーパー君がもし歴史オタクだったらどうなったことでしょうか?

一方でミッションディレクターは「(ミッションは)タイムトラベルではない」と主張しています。言われてみればノードゥス・インターリンクを使っている「同僚」たちも空中に浮かんでいるだけで消えたりはしていないようで……。それにほとんどのミッションは過去の特定の人物に乗り移っているかのような状況です。けれども自身は確かに、死を目前にした状況から数百年前の西暦2042年の世界に時間移動しているはず……。

各ミッションの解説文もなにかの実験のように謎めいていて、ハーパー達がしていることは果たして一体何なのか?そもそも拉致同然にこの状況へと放り込まれたハーパー達はいつか謎の施設から出て「元の世界」に帰ることができるのか?物語の続きはぜひ21日リリースの製品版でお確かめください。

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