大谷翔平 2打席連発の18号&19号 山本&ベッツ離脱「チームでカバー」2人の分までフル回転へ

 ドジャース・大谷(提供・共同通信社)

 「ドジャース3ー0ロイヤルズ」(16日、ロサンゼルス)

 ドジャースの大谷翔平選手(29)が16日(日本時間17日)、ロイヤルズ戦で今季初の2打席連発となる18、19号を放った。試合前に山本由伸投手(25)が右肩腱板損傷による負傷者リスト入りが発表され、試合では不動の1番、ムーキー・ベッツ外野手(31)が死球で左手甲を骨折。今季2度目の1試合2本塁打で、大ピンチに見舞われたチームを勝利に導いた。

 壮観。カリフォルニアの青空に2本のアーチを架けた。チケット完売、5万2789人が埋めたスタンドの興奮がフィールドに渦を巻く。ベンチの前で恒例儀式、ひまわりの種を2度浴びた大谷の笑顔がはじけた。

 “ショウタイム”の幕開けは三回。甘く入ったツーシームを完璧に捉えた。飛距離137メートルの特大アーチ。センター左の着弾点は好調の証しだ。

 「あそこの方向に飛距離が出ているということはいい状態じゃないかなと思うので。気持ちいい感覚だったと思います」

 続く六回の打席では初球、内角低めスライダーを右翼席中段まで運んだ。打球角度は今季最高の39度。滞空時間の長い白球の行方を“確信歩き”で見届けた。

 1試合2本塁打は5月5日のブレーブス戦以来通算18度目だが、2打席連発は3度目。父の日に日本に向けて最高のプレゼントを贈り「今まで打っている思い出はなかったですけど、打てて良かった」と表情を緩めた。

 この日は激震の連続だった。前日の試合で2回降板の山本が負傷者リスト入りし、精密検査で右肩腱板の損傷が判明した。七回の攻撃ではベッツが左手甲に死球を受けて途中退場し、試合後に左手骨折が発表された。

 投打の柱の長期離脱が予想される。山本とはロッカーが隣同士で「全部全力でやっているのを見ているので本人が一番悔しいと思います。早い段階で帰ってきて、いい状態で投げられるようにサポートしたい」と熱い思いを吐露。ベッツの離脱には「欠かせない選手。早期回復を祈りながらチームでカバーできるように頑張りたい」と気持ちを新たにした。

 ベッツが休養で欠場した5月18日のレッズ以来となる大谷の1番起用の可能性を問われたロバーツ監督は「私の中で第一の考えとしてある」と否定しなかった。今季最大のピンチに見舞われたチームを救うべく、背番号17が先陣を切る。

© 株式会社神戸新聞社