「素晴らしい成績を継続した」米メディアが注目した松山英樹の驚愕スタッツ。首位と4打差6位で初制覇ならずも、“好評価”のワケ【全米オープン】

最終日までトップ争いを繰り広げた日本人ゴルファーに熱い視線が注がれている。

現地6月16日、男子ゴルフのメジャー第3戦・全米オープンの最終日がノースカロライナ州・パインハーストリゾート&CCで行なわれ、トップと5打差の5位でスタートした松山英樹は1バーディー、1ボギーの「70」で回り、通算2アンダーのトータル「278」をマーク。首位と4打差の6位で終え、74万8154ドル(約1億1780万円)を手にして大会を終えた。

優勝を飾ったのは地元のブライソン・デシャンボーで、2020年大会以来となる2度目の頂点に輝いた。最終ホールのパーパットを沈めた瞬間には、両手を力強く突き上げて喜びを爆発させた。

一方の松山は、前半からパーが続く我慢のゴルフが続いた。9番パー3では、この日初めてのボギーを記録したものの、その後はパーで耐えながら上位に離されまいと食らい付いた。

すると、後半の13番パー4で初のバーディーを奪取した。これで勢いに乗るかと思われたが、その後はスコアを伸ばせず、結局イーブンパーの「70」で4日目のラウンドを終了。2021年のマスターズ以来、海外メジャー2勝目は叶わなかった。
しかし、今大会で日本勢唯一の決勝ラウンドに進出を果たし、百戦錬磨の海外トップゴルファーと最後まで優勝を争った松山には現地メディアから高い評価が与えられている。

MLB、NBA、NFL、NHLの北米4大プロスポーツを中心に豊富なニュースを配信している米スポーツメディア『ROTOWIRE』は、全米オープンを単独6位でフィニッシュした松山の寸評記事を配信。4日間トータルでのゴルフに好評価を下している。

記事内では、あらゆる角度から日本人ゴルファーのスタッツを分析している。そのなかで、「ヒデキ・マツヤマは、これまで全米オープンで素晴らしい成績を残してきたが、今週もそれは継続している。彼は自身12回目となる同大会で決勝ラウンド進出は実に11度あり、予選落ちは2016年のたった1度だけだ。トップ10入りが4回、トップ25入りは8回を記録している」と大会との好相性を紹介しながら、その安定した成績に目を見張った。

続けて、「今大会のマツヤマのベストラウンドは金曜日(2日目)に記録した4バーディー、ボギーなしの「66」。通算2アンダーだった。これは、すべてのストロークゲインド部門で24位以上にランクしており、今季のPGAツアーでトップの成績を収めている」と、この日のベストスコアに絶賛の言葉を並べた。特に後半の3番パー4から圧巻の3連続バーディーを記録したパットの安定性、さらにはショットの正確さを称えながら、その技術は海外の一流ゴルファーと引けを取らないと太鼓判を押し、次戦の米ツアーにも期待を寄せている。

松山は大会後、今夏のパリ五輪出場を表明した。主戦に置く米ツアーやメジャー大会など、高いレベルでトップと戦い続ける日本屈指のゴルファーは「出るからには頑張りたいと思います。この調子で良い状態をキープして行けたら」と、意気込みを語っている。

構成●THE DIGEST編集部

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