【プロ野球交流戦】「逆監督賞」は岡田監督、“昭和指導”でセ・リーグ首位陥落の巨人「最悪コーチ賞」は?

巨人選手から不満が噴出する二岡智宏コーチ(右端)。リーダー・坂本勇人の衰えも低迷の要因だという

「今日は若い力と言いますか、久しぶりの“筑後ホークス”の活躍で勝てました」

2024年6月14日、ソフトバンクの小久保裕紀監督が若手をそう称えた。

無理もない。2020年ドラフト2位の笹川吉康のプロ初安打に、2023年ドラフト3位の廣瀬隆太のプロ初本塁打の活躍もあり、2連勝。5月28日に始まったセ・パ交流戦だが、ソフトバンクは惜しくも2位。今季は楽天が優勝に輝いた。

「交流戦前はリーグ5位だった楽天ですが、交流戦では大きく勝ち越しました」

楽天の躍進に驚きの声を上げる楽天担当記者。“V字回復”のワケを続けて語る。

「今江敏晃監督はPL学園出身だけに、ミスした選手にはめっぽう厳しい。ですが、その選手を使い続けるなど“飴”も与える。かつての星野仙一監督に近いやり方です。

ただ、いちばん大きい要因は、三木谷浩史オーナーの、球団への干渉が減ったことでしょう。以前は『打順も決めているのでは?』と言われたほど。ところが、三木谷さんがオーナーを務めるヴィッセル神戸が昨季、初めてJ1を制したこともあり、最近はサッカーに夢中。目の上のたんこぶが消えたことで、監督も選手たちものびのびと野球ができるようになりました」

絶好調の楽天と対照的なのが、阪神と巨人だ。とくに交流戦での阪神は勝率3割台と絶不調。アレンパに期待がかかる阪神のこの体たらくは“残念チーム賞”に違いない。

「岡田彰布(あきのぶ)監督は、5月15日に打撃不振と怠慢プレーの罰として、主砲の佐藤輝明を6月6日まで二軍に落としました。今年の打線は一発を打てる選手が少ないにもかかわらずです。OBたちはもちろん、球団内部からも『サトテルをすぐに一軍に戻すべき』という意見が多数、上がり、監督への不満が集まっていました」(スポーツ紙デスク)

楽天の今江が監督賞なら“逆監督賞”の岡田。同様に、交流戦の“最悪コーチ賞”は、巨人の二岡智宏ヘッド兼打撃チーフコーチだ。

「阿部慎之助監督に抜擢された二岡コーチでしたが、選手に厳しくというより、ただ怒っているだけで、具体的な指導ができないというんです。ヘッドは指導や作戦面でも重要な役割を担っているので、選手からも『これではダメだ』といった声が多く寄せられるようになりました」(同前)

時代遅れの“昭和指導”でセ・リーグ首位から陥落した巨人。対照的なのは日本ハムだ。今季はいまだ貯金生活と、大健闘している。

「好調の要因は、20代の“新庄チルドレン”たちの大活躍。昨季ブレイクした万波中正に加え、今季は強肩強打の捕手・田宮裕涼(ゆあ)と、現役ドラフトでソフトバンクから加入の水谷瞬が大ブレイク。新庄監督の、若手を試合に使い続けるという育成方法が実を結んでいます。周囲から『じつは新庄監督は、名将では』という声がよく聞こえてくるようになりました(笑)」(日ハム担当記者)

そして、気になるのは、“常勝軍団”オリックスだ。

「3年連続パ・リーグ王者のオリックスは、交流戦前は4位と不振でしたが、上出来という評価なんです。というのも左右のエース宮城大弥(ひろや)、山下舜平大(しゅんぺいた)をはじめ、中継ぎの山岡泰輔、ストッパーの平野佳寿、野手の中川圭太ら、主力の多くが怪我で登録抹消。にもかかわらず交流戦で勝ち越せたのは、中嶋聡監督の采配のうまさですね。

主力投手がいなければ、早めの継投でしのぐ。また、一度、選手を起用したらとことん信じ抜くのも彼のスタイル。今季、広島からFA移籍してきた西川龍馬が打撃不振に陥るも、中嶋監督は『リーグが変わったから。慣れれば必ず打ちだす』と使い続けた。その結果、本調子を取り戻し、打率も上昇した。交流戦後は、徐々に怪我人が復帰するでしょうから注目です」(スポーツ紙記者)

6月21日からのリーグ再開で、ベンチ裏が再びザワつきだす……。

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