パ・リーグ球団別週間MVP、ロッテ・ポランコが得意の夏へ上昇気配 オリックス西野、楽天・辰己が打線けん引

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ポランコが約1カ月ぶりの一発

プロ野球の交流戦は雨天のため延期となった1試合を残し、16日に10球団が全日程を終了。楽天が13勝5敗で初優勝を飾り、ソフトバンクが2位に入った。一方、2年連続の交流戦最下位に終わった西武は借金が25に膨らみ、勝率3割切りも目前に。交流戦開幕直前に監督交代の一手を打ったが、浮上のきっかけをつかめずにいる。

SPAIAでは6月11日から16日までのwRAAを集計。本塁打数や安打数も含めて打撃面で貢献度の高い選手を「週間MVP」として球団別に紹介する。

wRAAとは、リーグの平均的な打者が同じ打席数の場合と比べてどれだけチームの得点を増やしたかを示す指標。平均的な打者なら0となり、貢献度が高いほど数値は大きく、低ければマイナスになる。wRAAが10なら、その打者が打席に立つことで、平均的な打者より10点増えたと評価できる。

先週はロッテのグレゴリー・ポランコがwRAA3.9でリーグトップだった。加入2年目の助っ人は6試合中4試合でヒット、うち2試合で3安打猛打賞を記録するなど、週間で18打数8安打の打率.444、1本塁打、4打点をマーク。16日の中日戦では、5月15日以来約1カ月ぶりの7号2ランを放ち、勝利に貢献した。

昨季も7月に4発、8月に8発と夏場に向けて調子が上がっていったポランコ。今季もリーグ戦再開後からの本塁打量産に期待が高まる活躍ぶりだ。

西野真弘が7年ぶり1試合4安打、辰己涼介は4度のマルチ安打

5位のオリックスでは西野真弘がチームトップのwRAA3.6をマーク。先週は出場した全4試合でヒットを放ち、14打数9安打の打率.643をマーク。14日のヤクルト戦では2017年以来の1試合4安打と打棒が爆発した。昨季は43試合の出場で打率.197と振るわなかったが、今季はここまで40試合に出場し打率.342と好調をキープしている。

球団初の交流戦優勝を果たした楽天では、5月末から3番に定着した辰己涼介が打線をけん引。週間で4度のマルチ安打、2本の三塁打を放つなど、23打数9安打の打率.391、OPS1.005をマークし、チームトップのwRAA3.5を記録した。3年連続ゴールデングラブ受賞の名手が、今季はバットでも大きく貢献している。

独走態勢に入りつつあるソフトバンクでは近藤健介がwRAA3.2でチームトップだった。先週は全6試合に出場し、17打数6安打の打率.353、2本塁打、6打点をマーク。15日の阪神戦で決勝の9号3ランを放ち全12球団本塁打を達成すると、翌16日にも10号ソロを放ち、2年連続となる2ケタ本塁打に早くも到達した。

今季ここまで全62試合に出場して、リーグ1位の打率.346、同2位の10本塁打、38打点をマーク。昨年惜しくも逃した三冠王へ視界良好だ。

水谷瞬が3番で奮闘、西武は待たれるヒーローの登場

阪神との交流戦1試合が未消化の日本ハムは水谷瞬がチームトップのwRAA2.9を記録した。先週は3番で5試合にスタメン出場し、20打数7安打の打率. 350、1本塁打、4打点をマーク。これで6月は14試合に出場して打率.396、3本塁打、11打点と躍動。昨年の現役ドラフトで加入した23歳がブレイクの予感を漂わせている。

最下位の西武は打線がなかなか上向かない。先週も唯一勝利した12日の広島戦では5得点を挙げたが、残り5試合のうち2試合で1得点、3試合で無得点。現在23イニング連続でスコアボードにゼロが並ぶ深刻な状況。西川愛也がチームトップのwRAA1.0をマークしたが、他球団のMVPたちに大きく水をあけられている。この窮地を救うヒーローの登場が待たれる。

今季の交流戦も18日の1試合を残すのみとなり、週末にはリーグ戦が再開。夏場に入り、ちょうど疲労もピークに達する中、オールスター休みまでの約1カ月間はペナントレースの行方を大きく左右する戦いとなるだろう。暑さに負けない熱戦を期待したい。



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