全中競技の大幅削減、福井県内の団体でも困惑の声 「部活動のクラブ化が主流に」ハンドボール、体操、水泳関係者

 日本中学校体育連盟(日本中体連)が全国中学校体育大会(全中)の大幅な規模縮小に踏み切った。日本中体連の区分に沿えば19競技中、水泳や体操など9競技を2027年度から取りやめると決定。運営に携わる教員の業務量が増大して改革は避けられなかった一方で、削減された競技団体からは困惑の声が上がる。

 福井県ハンドボール協会の角谷喜代重理事長は「一方的に全中取りやめが決まって困惑している」と話す。今月8日に行われた日本協会理事会では、全中取りやめについて「今後検討する」の一言にとどまったといい「全中予選となる県中学総合や北信越中学総合の在り方も見えていない」という。

 現在の中学1年は26年大会に出場できるものの、取りやめとなる今の小学6年以下が部活動で入部するかは不透明。試合に必要な部員数がそろわない懸念も生じる。一方で、日本協会主催の春の全国中学生選手権や、全国中学生クラブカップといった全国大会が既にあり、角谷理事長は「部活動のクラブ化が主流になる」と見込む。クラブチーム拡大に向け「県協会主導で指導者育成を図らないと。全中取りやめというマイナスをマイナスのままにしてはいけない」と話す。

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