引退・岡崎慎司〝指導者転身〟が秘める可能性 武田修宏氏はプレミア、欧州CLでの「偉業」を期待

引退会見で指導者への夢を語った岡崎慎司

〝岡崎監督〟が秘める可能性は――。サッカー元日本代表FW岡崎慎司(38=シントトロイデン)が17日に都内で引退会見を行い、監督業への熱い思いを吐露。さっそく欧州で指導者キャリアをスタートさせる。親交の深い元日本代表FW武田修宏氏(57=本紙評論家)は岡崎の監督適性に太鼓判。イングランド・プレミアリーグと欧州チャンピオンズリーグ(CL)のダブル制覇に期待を寄せた。

岡崎はJ1清水で飛躍し、海外に渡ってドイツ1部シュツットガルトやマインツでゴールを量産。イングランド・プレミアリーグのレスターでは主力として優勝に大きく貢献した。日本代表としても119試合で50得点をマークし、W杯は3大会連続出場。まさに世界を舞台に活躍したストライカーだった。

岡崎は、引退の理由について「ヒザのケガが一番の理由。昨季からヒザの痛みをずっと抱えながらプレーして、その時にいろんなことを考えた」と語った。

現役を振り返り「後悔だらけというか…。自分が口にした目標は、ほとんど達成できていない。W杯優勝、北京五輪、プレミアリーグで2桁(得点)、ビッグクラブでプレー、4大リーグ(全て)でプレーという夢も達成できなかった。40歳まで現役を続けると最後の目標も決めていて(次の)W杯もワンチャンあると思っていて…。記憶に残っているのは、そういう悔しさだけ」と未練を口にした。

それでも続けて「次の人生で、その先を見られたらと思う」。第2の人生は指導者への転身を即断。「欧州で監督に挑戦する。会見の前にも、イングランドで1週間くらい講習を受けている」と欧州サッカー連盟(UEFA)のライセンス取得へ受講を開始している。一方で、自身が運営するドイツ6部バサラマインツのトップチームで「監督をやることは決まっている。具体的にはそこで始める」と明らかにした。

かねて親交のある武田氏は、岡崎の指導者適性に太鼓判を押す。「日本人で欧州のトップレベルで指揮した監督はいない。その点、岡崎はいろんな国でやってきているし、彼の実績は現地で評価されている。経験はすごく大事。そういう意味では監督になりやすい環境がある。人柄もいい」。岡崎はドイツ、イングランド、スペイン、ベルギーと異なる環境で活躍。そうした背景に加え、指導者向きの性格など欧州での挑戦が成功する要素を強調した。

そして「プレミアリーグで日本人初、アジア人初の優勝監督に。そして、CLを取ってほしい。期待できる。指導者として歴史をつくってほしい」とエール。世界最高峰の舞台で監督として輝く未来を予想した。岡崎監督の成功が今から楽しみだ。

© 株式会社東京スポーツ新聞社