岡山の保育所で不適切行為 食べ物押し込む、トイレ閉じ込め

岡山市役所

 保育士が園児の口に食べ物を押し込んだり、狭い場所に閉じ込めたりする不適切な保育があったとして、岡山市が企業主導型保育所「あいぐらん保育園岡山福浜町」(同市南区三浜町)に市の規則に基づき改善指導していたことが17日、市などへの取材で分かった。

 市や運営会社(広島市)によると昨年9~12月、保育士2人が園児に対し、吐き出そうとした食べ物を手で口の中に押し戻す▽苦手な食べ物を無理やり口に押し込む▽部屋の隅の狭い場所やトイレに閉じ込める▽椅子に押し付けるよう乱暴に座らせる―といった行為をしたとされる。

 市は昨年12月、匿名の情報提供を受けて園を立ち入り調査し、保護者説明会の開催や改善計画書の提出などを文書で求めた。不適切な保育をしたとされる保育士2人は既に退職しているという。今後、改善の見込みがなければ勧告され、さらに従わなければ事業停止や施設閉鎖を命じられる。

 当時から在職している園長は取材には応じず、運営会社が「決してあってはならない。園内の研修などを通じ、改善に取り組んでいる」と説明している。

 園は2021年の開設。0~2歳児が対象で、定員は計12人。

 企業主導型保育所 企業が主に従業員向けに設ける認可外保育施設で、待機児童対策として2016年度に制度が始まった。開設や運営基準は認可施設より緩和されているが、国から認可並みの助成金を受けられるのが特徴。岡山県内には約80施設ある。

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