日本道路、住友建機/自動運転アスフィニッシャー実装/ステレオカメラで段差識別

日本道路と住友建機が共同開発したアスファルトフィニッシャーの自動操舵(そうだ)・自動伸縮システムが、日本道路の研究・研修施設「土浦テクノBASE」(茨城県土浦市)で実装された。車体左右に搭載したステレオカメラで道路の型枠や切削端部の段差を識別し、ステアリングやアスファルトを均等に敷きならすスクリードの伸縮を自動制御する。従来は2人以上必要だった運転や機械操作が作業員1人で兼務できる。車両後部で路面を微調整するレーキマンとスコップマンも4人から2人に減らし省人化した。
日本道路のAI搭載ステレオカメラ「EyeThink(アイシンク)」と住友建機のステアリング、スクリード自動調整技術を組み合わせた。施工データの事前入力が不要でスイッチを入れると自動的に段差を検知し、舗装しながら走行する。昼夜を問わず幅員2・9~6メートルに対応し、左右の幅員が均等でなくマンホールのある道路でも施工可能。アスファルトフィニッシャーを併走させて舗装するホットジョイントにも対応する。
車両の操作は運転手のフィニッシャーマンと敷きならしを調整するアジャストマンを作業員1人が兼任する。車両後部にはレーキマン兼スコップマンを左右に1人ずつ配置する。従来はレーキマンとスコップマンが左右各1人ずつ必要だったが、施工が正確になるため兼任でも十分品質を確保できる。
住友建機の「HA60W」型アスファルトフィニッシャーに対応し、システムの取り付けは30分程度で完了する。

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