沢口靖子、長澤まさみも…「東宝シンデレラ女優」が『ゴジラ』シリーズで見せた“フレッシュな魅力”

長澤まさみ

1984年から不定期で行われている「東宝シンデレラ」オーディションは、若手女優の登竜門として有名だ。グランプリ受賞者はこれまで9人選出されていて、その後人気女優として活躍している者も多い。

本オーディションは、東宝が誇る人気映画『ゴジラ』シリーズと縁が深いことでも知られ、「東宝シンデレラ」組が多数出演。まさに、次世代を担う女優たちの“お披露目の場”となっているのだ。

■平成ゴジラシリーズには沢口靖子や小高恵美、今村恵子などグランプリ受賞者が!

まず、平成ゴジラシリーズ(平成VSシリーズ)と呼ばれる、1984年から1995年まで制作された第2期『ゴジラ』シリーズには、第1回東宝シンデレラとなった沢口靖子さんが出演して以降、多くの受賞者が出演している。

まずは、1984年に第1回東宝シンデレラでグランプリに輝いた沢口靖子さんだ。人気ドラマ『科捜研の女』(テレビ朝日系)で24シーズンも主演を務めるなど、現在は大女優となった沢口さんだが、この受賞がきっかけで芸能界デビュー。1984年の『ゴジラ』と1989年の『ゴジラVSビオランテ』の2作に出演した。

『ゴジラ』では大学生のヒロイン・奥村尚子役で、すでに完成されたルックスと、新人ばなれした演技力には思わず驚いてしまうはず。『ゴジラVSビオランテ』では、人造怪獣・ビオランテの細胞の一部になる重要キャラ・白神英理加役を好演。序盤で死亡してしまうというショッキングな役柄だった。

第2回(1987年)のグランプリ受賞者である小高恵美さんは、ゴジラファンにはおなじみの存在だろう。彼女は1989年の『ゴジラVSビオランテ』から1995年の『ゴジラVSデストロイア』まで、なんと6作品連続で出演しているのだ。

すべての作品で平成ゴジラを語る上では欠かせないキャラ、超能力少女・三枝未希を熱演している。一時は芸能界を引退していたが、近年では平成ゴジラについてのイベントなどに姿を見せることも。

1991年の第3回グランプリの今村恵子さんは、1992年『ゴジラVSモスラ』、1993年『ゴジラVSメカゴジラ』、1994年『ゴジラVSスペースゴジラ』の3作品に出演している。

特に『ゴジラVSモスラ』では、モスラを呼び出す「コスモス」を第3回審査員特別賞受賞の大沢さやかさんとともに演じ、美少女女優として大注目された。2人が歌った「モスラの歌」も当時話題となったため、覚えている人も多いだろう。

■ミレニアムシリーズには長澤まさみ、水野真紀、田中美里など大物女優たちが登場!

1999年から始まった『ゴジラ』シリーズ第3期に当たるミレニアムシリーズには、第5回(2000年)グランプリ受賞者の長澤まさみさんが登場している。彼女は2003年の『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』と2004年の『ゴジラ FINAL WARS』に出演。第5回審査員特別賞を受賞した大塚千弘(当時は大塚ちひろ)さんとともに小美人を演じた。非常に小さな妖精のような存在で、今や国民的女優となっている長澤さんの貴重な歌唱シーンも見ることができる。

第4回(1996年)の審査員特別賞の田中美里さんは、2000年の『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』と2002年の『ゴジラ×メカゴジラ』に出演している。『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』では主人公の辻森桐子役を演じており、ゴジラの背中に乗るシーンはシリーズ屈指の名場面として有名だ。

第2回で審査員特別賞を受賞した水野真紀さんも、2004年は『ゴジラ FINAL WARS』に出演。すでに売れっ子女優だった水野さんは、本作のキーマンである音無杏奈役。かっこよくセクシーなキャスターで、作中で人間に化けていたX星人の正体を看破する活躍も見せている。

■令和になっても続く東宝シンデレラとゴジラの関係

『ゴジラ』シリーズはミレニアムシリーズが終了して以降、海外で映画化される機会も増え、東宝シンデレラ出身女優が出演することはなくなってしまった。そんな中、2023年に公開された『ゴジラ-1.0』には、第7回(2011年)ニュージェネレーション賞を受賞した浜辺美波さんが久々にヒロインとして出演。すでに人気女優としての地位を確かなものにしている彼女は、第96回アカデミー賞で視覚効果賞を受賞した本作においても、大きな存在感を見せている。

今回紹介した作品はアマゾンプライムビデオで見ることができる。ストーリーはもちろん、出演している東宝シンデレラ出身女優たちのういういしい姿もまた一見の価値あり。そのあたりも含め、ぜひ楽しんでみてほしい。

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