ロシア極東連邦総合大学函館校が学生募集停止 2025年度から

極東連邦総合大学(ロシア・ウラジオストク)の分校に当たる専修学校のロシア極東連邦総合大学函館校が、2025年度から学生募集を停止することになった。運営する学校法人の函館国際学園が理事会・評議員会で決議したもので、ロシアのウクライナ侵攻を機に入学生が激減、経営を継続できなくなったとしている。

ロシア極東連邦総合大学函館校によると、同校は生徒総定員240人だが、2022年のウクライナ侵攻を機に国内の反ロシア感情が高まって志願者が激減した。今年の入学生はわずか3人。在校生も14人まで落ち込み、経営維持に必要な生徒数の半分以下にとどまっている。日ロ関係が悪化の一途で、今後も志願者の回復が見込めないと判断した。在校生全員がカリキュラムを修了するまで北海道函館市の支援を受けて学校運営を継続する方針だが、その後は閉校する見通し。

同校はロシアの大学の分校としては国内唯一。函館市にキャンパスを置いて1994年に開校し、函館国際学園が運営する専修学校「ファーイースタンステイトユニバーシティ函館校」として活動していた。2006年に文部科学省から外国大学の日本校として認定され、2011年に現在の名称に変更した。現在は4年制のロシア地域学科と2年制のロシア語科を持つ。

入学定員はともに40人。日本人の理事長をトップに、ロシア人の校長とウラジオ本学出身のロシア人教員7名、教養科目を教える日本人教員6名とアメリカ人英語教員1名で少人数クラスを指導している。ロシア語の読解、会話、作文までロシア語のすべてと、ロシアの文化・教養を学びロシアに精通する人材を育成。ウラジオストクの「極東連邦総合大学」への留学が卒業要件となっており、モスクワなどへインターンシップもある。開校以来の30年で約270人の卒業生を輩出したほか、ロシア文化やロシア語の普及を目指した函館ロシアセンターを2008年に開設、ロシアのラブロフ外相が訪問するなど日ロ外交にも寄与している。

参考:

【ロシア極東連邦総合大学函館校】学生募集停止のお知らせ

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