金融・資産運用特区制定も、開かれた経済立国への道のりは遠い? 経済アナリストが日本の現状を解説

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜6:59~)。「FLAG NEWS」のコーナーでは、“金融・資産運用特区”について取り上げました。

◆「金融・資産運用特区」に4地域指定

政府は海外の資産運用会社の参入を促す「金融・資産運用特区」に、北海道・札幌市、東京都、大阪府・大阪市、福岡県・福岡市の4地域を指定しました。そこには、海外から成長資金を呼び込み、スタートアップ企業や脱炭素といった特色ある産業を育てる狙いがあります。

今後、会社設立手続きの英語対応の拡充や海外投資家向けの在留資格創設など投資環境を整える具体策の検討に入ります。岸田首相は「国内外の金融資産運用業者の集積と成長分野の発展を目指す新たな取り組みだ」と述べています。

◆日本がより開かれた経済立国になるためには…

この政策に関し、経済アナリストの馬渕磨理子さんは「一歩前進という程度」と指摘。というのも、「専門家の間では、200とかあるやってほしい項目のなかで、まだ1か2ぐらい」と日本の現状を嘆きます。これを受け、キャスターの堀潤は「そうなんですか!」と驚愕。

今回の政策もそこまで大きなインパクトはなく、馬渕さんはもっと根本的な部分、日本の金融業界の商習慣の変革を切望。「例えば、煩雑な配偶者の登録義務や、資産運用規模も200億円と200億円以上ではライセンスが違い、運用は日々値動きがあるなかで一瞬でも200億円を突破すると(ライセンスがなければ)業務停止など細かい日本の商習慣に踏み込めていない。ここにもう一歩踏み込んでいく必要がある」と言います。

そして、「これは誰のための改革なのか?」という堀からの質問に対しては、「基本的には、国内の金融を盛り上げていく、私たち国民、日本のため」と返す傍ら、「メインは海外の資産運用会社に日本に来て事業を展開してもらうような打ち出し方ではある」と馬渕さん。

また、「古い商習慣は、ある意味(海外勢力の)防波堤として機能させて来た部分もある」と堀が指摘すると、馬渕さんは「国内を守るという意味ではそうだが、やはり開かれた金融立国にしていくためには、そうした商習慣を変更していく必要性がある」と改めてさらなる変化を望んでいました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 6:59~8:30
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組X(旧Twitter):@morning_flag
番組Instagram:@morning_flag

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