「湖のような海!」大村市の魅力を全国に届ける地域おこし協力隊・松浦慶太さんの挑戦 長崎

長崎県内の市町で唯一人口が増え続けている大村市で、この春から地域おこし協力隊がスタートしました。地域おこし協力隊の松浦慶太さん(38)がYouTubeやSNSを駆使して、大村市の魅力を全国に発信しています。松浦さんの目線で見た大村市の魅力に迫ります。

動画を撮影中の松浦慶太さん:
「海、湖…海、湖…海?大村湾ってどっち?」
「大村どんどん来んねTVのどんどんケータです!」

松浦慶太さんは2024年4月に大村市の地域おこし協力隊に着任しました。

松浦さん:
「僕も来てみて初めて大村ってこんなに素敵なところがいっぱいあるんだっていうところを知って。日本中の皆さんに、大村ってこんな素敵なんだよっていうところをぜひ知ってもらいたいなって」

「地域おこし協力隊」とは都市部から地方に住民票を移した人が地元産品のPRなどを通して地域おこしに取り組む制度で、県内では各市町で64人が活動中です。移住を促進する狙いもあります。

大村市は50年間、人口が増え続けている県内唯一の自治体です。しかし、2020年には《亡くなった人の数》が《生まれた人の数》を上回りました。

大村市企画制作部企画政策課 深江美穂課長補佐:
「いずれは人口減になるのが間違いないので、それを少しでも歯止めをかけること、地域を活性化したいということで導入を決めました」

SNSを活用した大村市のPR活動

松浦さんの仕事は大村の情報をYouTubeやInstagramなどのSNSで発信することです。今年4月に「大村どんどん来んねTV」を開設。大村名物の「ゆでピーナッツ」をPRする動画を制作しました。

「ゆでぴ♪ゆでぴ♪ゆでぴ♪ゆでぴってなーにー!」
「ゆでピーをゆでぴで爆買いBe happy」※ゆでぴは大村市の地域通貨

大村市産業振興部観光振興課 富永彰課長:
「市の職員だとかたくなるところが自由な発想で柔らかい感じで気に留めてもらえるような発信の仕方」

動画の新作のテーマは「大村湾」です。三重県出身の松浦さんは初めて大村湾を見たときあることに気付きました。

動画撮影中の松浦さん:
「疑惑1、波がない。見てください。波が全然ないんです。いや、海と言ったら、やっぱザブーンと波があるイメージなんですよね。やっぱ波がないということなので、《大村湾は湖》に1票」

松浦さん:
「疑惑っていう観点から大村湾ってすごい特徴がある海なんだよっていうのを日本全体に発信をして、日本の中でもすごく珍しい風景っていうのを日本の皆さんにお伝えできたらなと」

大村市「パートナーシップ宣誓制度」での生活

ことし3月、大村市に移住してきた松浦さん。一緒に暮らしているのはパートナーの藤山裕太郎さんです。

藤山さん:「きょう結婚記念日やから」
松浦さん:「ありがとう。さすが、ありがとう」

性的マイノリティ、LGBTQの当事者である2人は「パートナーシップ宣誓制度」を導入している大村市にことし3月、兵庫県から移住しました。LGBTQに対する大村市の理解が2人の移住を後押ししました。

松浦さん:
「やっぱり地方に住むってなんかどうなんかなというのは思ってはいたんですよね。LGBTQって結構、都市部にコミュニティがあることが多くて」

藤山さん:
「(アパートの)住民の方全員すごく快く受け入れてくれて。差別的な目とかを向けられて細々と住むとかじゃなくて、堂々と住めるのがすごくよかったなと思ってます」

動画の編集や撮影が好きだという藤山さんが、松浦さんの活動をサポートすることもあります。

藤山さん:
「(松浦さんは)キャラクターが特徴ある。すごく合ってるんじゃないかっていうのは、マスコットみたいな。もっと頑張ってほしい」
松浦さん:「うん、ありがたいです」

大村市への愛と今後の活動

松浦さん:
「桜があれだけあるだけで本当にすごいと思うのに、菖蒲もこれだけあるわけじゃないですか。プラス空港もあって、新幹線もあって、これって本当もう揃いすぎだろ、贅沢やな!って」

大村で暮らし始めて2か月。松浦さんの大村への愛は既に溢れています。

松浦さん:
「地方で受け入れてもらえるのかなってちょっと心配もあったんですけどもう皆さん本当にすごく温かくて。満足しすぎてこの魅力をもうちょっと自分の中で隠しておきたいぐらいな感じなんですけど(笑)
大村の魅力の発信とか、知名度をもっとあげたりとか、何か少しでも大村市の方のためになるような事ができたらいいなと思ってます」

これからの活動への意気込みを得意の五七五で聞きました!

藤山さん:「ここで咲く 桜よ夢よ 海も越え」

© 長崎放送株式会社