WEリーグで大ブレイク。よりゴールに近づき、得点に絡む感覚を身につけた清家貴子は、世界にその名を轟かせられるか【パリ五輪の選ばれし18人】

パリ五輪に挑むなでしこジャパンのメンバーがついに決まった。ここでは12年ぶりのメダル獲得を目ざす日本女子代表の選ばれし18人を紹介。今回はMF清家貴子だ。

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2023-24シーズンのWEリーグで大ブレイクしたストライカーが、パリ五輪のピッチで相手守備陣を切り裂くか。

三菱重工浦和レッズレディースの清家貴子は、WEリーグでは全22試合に出場し、10戦連発を含む20ゴールで得点王に輝き、チームも2試合を残し優勝とまさに全てを勝ち取るような活躍で、ベストイレブンとMVPも受賞。大舞台へ挑むなでしこジャパンに順当すぎる選出となった。

清家は昨年の女子ワールドカップについて「自分自身の力のなさを強く感じた」と話すものの、「得点という部分が、今シーズンは一番成長したのではないかと思う」と実感している。

浦和Lの下部組織で育った清家は、スピードあふれるドリブル突破を武器に、ユースチームに所属したまま2種登録された当時から、トップチームでも切り札的な存在だった。

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一方でサイドバックへのコンバートを経験するなど、そのスピードが多くの監督にとって、最前線でのプレーよりもサイドに配置したい理由になってきた。なでしこジャパンでも通算21試合に出場しているものの7ゴールの成績。そして、なかなかゴールに最も近い位置では起用されてこなかった。

女子W杯でそうだったように、今回のパリ五輪でも2シャドーの一角やウイングバック、あるいは右ウイングが主戦場になってくるだろう。自身も選出にあたって「今までなら4-3-3や3-4-3でやってきたけど、前線ならワントップもサイドもできる。ウイングバックも左右できると思うので、どこで出ても良いパフォーマンスができる準備をしていきたい」と話している。

ただ、今までとの違いはWEリーグでの戦いを通して、このようなポジションからゴールに絡む感覚を身につけたこと。浦和でも基本ポジションは4-2-3-1の右アタッカーだが、自身は「今までよりも高い位置、中にポジションを取るようになった。私たちのチームを知らない人には、フォワードのように見えたと思う」と話し、周囲との関係性がベースであるものの、よりゴールへ近づけるようになった。

そして、元なでしこジャパンであり浦和Lのチームメイトである安藤梢からシュートを決める技術を学んで高めてきた。

すでに今季限りで浦和Lを退団し、海外移籍することが発表されている。パリ五輪での活躍は、新たなシーズンに向け、自分の未来を切り拓くことにもつながる。なでしこジャパンを金メダルに導き、世界にその名を轟かせたい。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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