この夏、ポルノグラフィティの青春刻む音楽ショップ期間限定復活 尾道市因島のミツイシヤ

ポルノグラフィティとの交流を振り返る村上さん

 広島県尾道市因島出身のロックバンド「ポルノグラフィティ」のメンバーが青春時代に通った「ミュージックショップ ミツイシヤ」(因島田熊町)がこの夏、期間限定で復活する。8月31日、9月1日に因島であるメジャーデビュー25周年記念ライブの関連イベント「島ごとぽるの展」の一環。サイン入りのポスターなどゆかりの品を披露する。

 ミツイシヤのおばちゃんと因島の皆様へ―。10坪ほどの店内に、メンバーのサイン入り色紙やポスターが所狭しと並ぶ。元店主の村上恵子さん(73)は「送ってくれたり、店に寄ってくれたりした時の物ですね」と目を細める。

 1980年ごろ、電器店を営む傍ら、音楽好きの夫と店を開いた。音響機器やレコードの販売から始め、CD普及とバンドブームの波に乗った。店舗前の細い通りを中高生が行き交った。「ずらーっとね。楽器を背負った子も多かった」

 青春を謳歌(おうか)する若者の中に、後にポルノグラフィティとして鮮烈なデビューを果たす岡野昭仁さん、新藤晴一さん、白玉雅己さん(2004年脱退)の姿があった。

 「天真らんまんな岡野君、シャイで職人のような新藤君…」。時に真剣に、時に楽しそうにCDや楽器の部品を探し求める様子を、村上さんは昨日のことのように覚えている。日本を代表するアーティストとなった今も、「島を忘れないという心意気を感じます」と喜ぶ。

 「聖地」として国内外のファンが訪れた店は昨年3月に惜しまれながら閉じたが、今春、思わぬイベント協力の打診があった。「随分働いたけどもう一踏ん張りです」。村上さんは人生に彩りを添えてくれた「因島の星」と、ひと夏の思い出をつくるつもりだ。

 開店は、イベント期間の7月20日~9月8日の午前10時~午後4時。サインやポスターに加え、店とバンドのコラボグッズなどが並ぶ。火・水曜とライブ当日は休み。8月29、30日、9月2、3日はバスツアー参加者のみ利用できる。

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