いわき秀英・坂部、女子800制す 東北高校陸上、直線で突き放す

【女子800メートル】2分12秒08で優勝した坂部涼々子(いわき秀英3年)=とうほう・みんなのスタジアム

 第79回東北高校陸上競技大会最終日は17日、福島市のとうほう・みんなのスタジアムで男女11種目の決勝などが行われた。女子800メートルは坂部涼々子(すずこ)(いわき秀英3年)が2分12秒08、男子円盤投げは小野大輝(日大東北3年)が46メートル52でそれぞれ制した。男子1600メートルリレーは帝京安積が3分13秒36で優勝した。

 「相手の心を折るぐらいのスピードで」

 クールな表情のままゴールラインをさっそうと駆け抜けた。女子800メートルの坂部涼々子(いわき秀英3年)は2分12秒08で頂点に立つと「全国大会出場を決めることに集中した。結果を気にせずに走ったが、優勝はやっぱりうれしい」と表情を崩した。

 400メートルで先に全国高校総合体育大会(インターハイ)への切符をつかんでいた。ただ、連戦の疲れもあり、前日の準決勝では県大会で勝利した相手にリードを許し、悔しさが残った。

 その気持ちを晴らそうと臨んだ決勝。序盤は3、4番手をキープし、前に出るタイミングをうかがった。2番手にいたライバルが残り200メートルで仕掛けたのを見逃さず、一緒に先頭に出た。「相手の心を折るぐらいのスピードで」と心に決めていたように、最後の直線で集団を一気に突き放した。

 大会前は緊張で体調を崩すこともあるが「いつものことだから慣れた。そういう時の方が、意外と良い走りができる」と逆境をはねのける強さをのぞかせる。

 インターハイでは400メートルとの2種目で自己ベスト更新と決勝進出を目指す。全国の大舞台に物怖じせず「強い選手たちと走るのが楽しみ」と言い切る姿が頼もしかった。(江藤すず)

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