福島県内の景気、持ち直し鈍化 日銀支店、4カ月ぶり下方修正

 日銀福島支店は17日発表した6月分の県金融経済概況で、県内景気の総括判断を「緩やかな持ち直しを続けているものの、ペースは鈍化している」とし、4カ月ぶりに判断を下方修正した。

 項目別では、個人消費を引き下げた。消費者の節約志向が高まっており、プライベートブランド(PB)やお得感のある大容量パックの販売が好調。百貨店やスーパーなど大型小売店から日用品の価格が安いドラッグストアに客が流れているほか、これまで以上に特売日に売り上げが集中する傾向も強まっている。

 生産動向では、鉱工業生産で中国などの海外経済減速の影響から足元弱めの動きとなっている。自動車の認証不正問題による県内部品メーカーへの影響は現時点では不明だが、一部車種の生産停止による減産への警戒感がある。

 4月の福島市の消費者物価指数(生鮮食品を除く)は3.1%で、前月よりもプラス幅が拡大した。

 物価高が長引き、国の電気・ガス料金の補助縮小で光熱費の上昇も見込まれる。福島支店で記者会見した中嶋基晴支店長は「日常支出に対する消費者の生活防衛意識が高まっている。今後、賃上げが給与に反映されることで消費は回復を続けるが、当面ペースは鈍化していくとみている」との認識を示した。

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