就労に必要な準備など説明 佐賀大附属特別支援学校で進路講演会

就労に必要な生活習慣の付け方などを紹介した講演会=佐賀市の佐賀大附属特別支援学校

 障害者の就労を支援する会社が6月上旬、佐賀市の佐賀大附属特別支援学校で、中・高等部の生徒を対象にした進路講演会を行った。就職・就労の準備要素をピラミッド型で示し、就労に必要な技能の習得に向け、日常生活をきちんと管理する習慣を身につける大切さを説いた。

 佐賀など全国6カ所に事業所がある「アイエスエフネットジョイ」(本社・東京都)の奥田友彦コンサルティング本部副本部長が講師を務めた。例示した「就労準備性のピラミッド」は5階層で、土台に規則正しい生活や服薬・通院管理など日常生活を管理する習慣を据えている。土台を整えることで対人関係を円滑にするあいさつやマナー、感情のコントロールが身につき、就労に必要な技能習得につながるとしている。

 生徒約30人が聴いた。4回目の職場実習を控える3年の本村碧(そら)さんは「講話を聞いて、あいさつ、返事、報告、質問の大切さを改めて感じた」と話した。

 保護者向け説明会では、厚生労働省の障害者雇用実態調査(2023年度)で、障害者を雇用しない理由に「適した業務がない」を挙げた企業が78.3%に上ることが示された。西川義樹コンサルティング本部長は「『障害者はうちの会社でできる仕事がないだろう』という偏見があるのではないか」とみている。

 佐賀事業所の山口幸子所長は「できないことではなく、できることを仕事にすることが大切。例えば、事務作業もパソコン操作や手紙の封入などに分割することで、それぞれの仕事が得意な人を雇える」と指摘した。(秋根紗香)

就労準備性のピラミッド

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