伊賀市議監禁強盗、被告の男認める 犯行主導は否定 津地裁初公判・三重

 知人と共謀して三重県の釜井敏行伊賀市議(42)に暴行を加えて車に監禁し、現金を奪ったなどとして、強盗致傷や監禁などの罪に問われた住所不定、無職福田竜雅被告(21)の裁判員裁判初公判が17日、三重県の津地裁(西前征志裁判長)であり、福田被告は「合っています」と起訴内容を認めた。

 検察は冒頭陳述で「被告らは被害者から金を無心し、応じない場合は暴力で奪い取ることに決めていた。呼び出された被害者が車で逃げようとしたが、前に立って車に接触し、これを口実に金を強奪した」と説明した。

 その上で「被告が共犯者3人に強盗を持ち掛けた」と強調。「被告が終始主導した計画的な犯行で、同種の罪で執行猶予期間中にも関わらず犯行に及んだ」と指摘した。

 弁護側は「当初は穏便に金を借りるつもりだったが、被害者が抵抗したためにした突発的な犯行で、計画的な犯行ではない。4人の関係性も平等で、特段主導的ではない」と主張した。

 起訴状などによると、福田被告は昨年9月、少年1人を含む知人3人と共謀。伊賀市内の路上に少年の知人である釜井市議を呼び出し、顔や腹を蹴るなどの暴行を加えて全治約2週間のけがを負わせた。その後、乗用車に約5時間監禁。キャッシュカードや現金計55万円を奪ったなどとされている。

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