「正しい知識で自分を守って」 増える薬物乱用 安易な気持ちで…やめられなくなる 県警と大学生呼びかけ

啓発品を配り、通行人に薬物乱用防止を呼びかける大学生ボランティアら=10日午後、朝霞市のJR北朝霞駅周辺

 埼玉県内で少年による大麻使用・所持事件が増加していることを受け、県警少年課などは10日、朝霞市のJR北朝霞駅周辺で、啓発品を配るなどのキャンペーンを行った。6~7月は「薬物乱用防止広報強化期間」に当たり、県警は啓発を強化し、薬物乱用防止を呼びかけている。

 県警によると、昨年1年間の、県内における少年の薬物乱用に関する摘発は45件で、そのうち約8割が大麻の使用や所持だった。5年前と比べると2倍以上に増えているという。多くが友人や知人、交流サイト(SNS)の勧誘がきっかけで、同課の担当者は「安易な気持ちで始めると自分の意思ではやめられなくなる。誘われたり、脅されて困ったら警察に相談してほしい」と呼びかけている。

 キャンペーンは県内各地区の少年非行防止ボランティア連絡協議会が持ち回りで実施。少年健全育成の機運を盛り上げる企画「埼玉横断リレー」の一環でもある。昨年6月から始まり、今回で8カ所目の開催となった。

 参加したのは県生徒指導課や地元団体、子どもの非行防止のために活動する大学生ボランティア「ピアーズ」など約20人。駅利用者に、大麻や闇バイトの危険性を訴えかけるチラシなどを配った。

 桶川市に住む東京薬科大学6年の細田有稀さん(23)は大学で薬物乱用防止の研究をしており、「子どもたちにも正しい知識を教え、自衛してもらいたい」と話していた。

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