原発訴訟「国の責任認定を」...原告ら街頭活動 最高裁判決から2年

国の責任を認めるよう最高裁に向かって訴える原告ら=17日正午ごろ、東京・千代田区

 東京電力福島第1原発事故の避難者らが国と東電に損害賠償などを求めた集団訴訟で、国の賠償責任を否定した先行4訴訟への最高裁判決から17日で2年が経過した。後続訴訟では最高裁の判断に倣った判決が続き、上告が不受理となった訴訟もある。この現状を打破しようと原告らは同日、最高裁前で街頭活動を行い、最高裁の判断を覆し、国の責任を認めるよう訴えた。

 約950人は最高裁に向かって「原発事故は国の責任」「司法の独立どこいった」などと訴えたほか、手をつないで最高裁を取り囲む「ヒューマンチェーン」を実施。国の責任を認めるよう求めた約3万通の署名も提出した。

 昨年11月の名古屋高裁で国の責任を否定され、最高裁に上告中の名古屋訴訟。原告団長の岡本早苗さん(46)は「司法の役割は何か。最高裁は公正な判断をすべきだ」と声を上げた。4月に最高裁が上告を棄却したいわき市民訴訟で原告団長の伊東達也さん(82)は「争点に言及していない最高裁判決に続くのはおかしい。司法の在り方を覆さなければならない」と語気を強めた。

 18日に仙台高裁で審理を控える津島訴訟で、弁護団共同代表の小野寺利孝さんは、最高裁判決後の流れに「司法の独立を失いかけている」と懸念を示した。

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