日本の平均年収の推移は?
2024年6月5日に労働組合の中央組織である連合が公表した「2024春季生活闘争 第6回回答集計結果」によれば、見込み賃上げ額は1万5236円と、前年より5.08%上昇しています。
今後も賃上げの流れは継続することが予想されます。
とはいえ、大幅な年収アップを目指すのであれば、転職や独立などキャリアを見直すことが重要です。
富裕層になるべく「年収1500万円」を目標に掲げている人もいるでしょう。
年収1500万円の人は、国内にどれくらいいるのでしょうか。
この記事では、年収1500万円の人の割合や日本の平均年収について解説します。
後半では年収アップのためにできることを紹介します。
年収増を目指したい人は、ぜひ参考にしてください。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
年収1500万円超の割合は何パーセントか
国税庁の「令和4年分 民間給与実態調査統計」によれば、年収1500万円を超えている人は73万2000人で、全体の1.4%とごく少数です。
同調査では、給与所得者数の合計が約5967万人との結果も出ていることから、年収1500万円以上の人がいかに少数であるかがわかるでしょう。
国内の上位1%に入るのは、大変困難だと考えられます。
日本の平均年収はいくらか
年収1500万円は、国内トップクラスのサラリーマンといっても過言ではありません。
では、日本の平均年収はいくらなのでしょうか。国税庁の「令和4年分 民間給与実態調査統計」によれば、日本の平均年収は以下のとおりでした。
- 平均給与:458万円(男性563万円、女性314万円)
- 平均給料・手当:386万円(男性472万円、女性270万円)
- 平均賞与:72万円(男性92万円、女性44万円)
日本の平均給与は458万円です。男性のほうが女性よりも平均が高くなっています。
結婚や出産などのライフイベントが影響していると考えられます。
業種別の平均年収
次に、業種別の平均年収を見てみましょう。
- 建設業:529万円
- 製造業:533万円
- 卸売業・小売業:384万円
- 宿泊業・飲食サービス業:268万円
- 金融業・保険業:656万円
- 不動産業・物品賃貸業:457万円
- 運輸業・郵便業:477万円
- 電気・ガス・熱供給・水道業:747万円
- 情報通信業:632万円
- 学術研究・専門・技術サービス業、教育・学習支援業:544万円
- 医療・福祉:409万円
- 複合サービス事業:506万円
- サービス業:377万円
- 農林水産・鉱業:337万円
電気・ガス・熱供給・水道業が700万円超、金融業・保険業、情報通信業が600万円超と高年収になっています。
一方で、200万円台や300万円台の業種もいくつか存在しています。
年齢別の平均年収
では、年齢別の平均年収はどのようになっているのでしょうか。
- 19歳以下:124万円
- 20歳〜24歳:273万円
- 25歳〜29歳:389万円
- 30歳〜34歳:425万円
- 35歳〜39歳:462万円
- 40歳〜44歳:491万円
- 45歳〜49歳:521万円
- 50歳〜54歳:537万円
- 55歳〜59歳:546万円
- 60歳〜64歳:441万円
- 65歳〜69歳:342万円
- 70歳以上:298万円
定年間近の55歳〜59歳が最も平均額が高い結果となりました。
年功序列で給与が上がっていく形式が、いまだに根強く残っているようです。
事業規模別の平均年収
事業規模別に、平均年収をチェックしてみましょう。
10人未満では、100万円〜200万円が全体の20%を占めています。
10〜29人では300万円〜400万円が19.7%、30人以上では300万円〜400万円が16.0%を占めています。
ただし、年収1500万円以上はどの事業所規模でも全体の1%程度となっており、年収の高さと事業所規模の大きさは必ずしも比例するわけではないようです。
年収アップのためにできること3つ
私たちが年収アップのためにできることとして、以下の3つが考えられます。
- 昇進・昇給を目指す
- 転職する
- 投資する
キャリアはもちろん、生活におけるお金の使い方も見直してみましょう。
昇進・昇給を目指す
現在の職場で昇進・昇給を目指すことで、年収アップが期待できます。
「営業で成績を残す」「プロジェクトの中心を担う」といった功績を会社で残すことで、キャリアアップを目指しましょう。
また、スキルを磨くことも重要です。業務に必要な資格を取得して手当を受け取る、有資格者ならではの重要タスクを任せてもらう、といったことが会社からの評価アップにつながります。
転職する
転職して希望のポジションに就くのも、年収アップの方法の一つです。
日頃の業務での実績や経験を活かして、自分を評価してくれる会社に移れば、大幅な年収アップが実現できる場合があります。
転職での年収アップには、自分の市場価値の向上やスキルアップなどが欠かせません。
投資する
仕事以外で収入アップを目指すのであれば、投資でお金を増やしてみましょう。
2024年に始まった新しいNISA制度は、前の制度から改良が加えられて誰もが活用しやすくなりました。
資産を増やせば、今の環境のまま年収アップを実現できる可能性があります。
次章では、転職したい人が転職先を探す際に注目すべきポイントについて解説します。
転職したい人が注目すべきポイント
転職して年収アップを目指したいと考える人は、以下の点に注目してみましょう。
- 賞与や福利厚生もチェックする
- 高収入の業種を狙う
- 無理な転職は控える
転職は人生を左右する大きな選択です。判断を誤らないよう、慎重に進めましょう。
賞与や福利厚生もチェックする
年収アップを目指して転職する場合は、年収に加えて賞与額や福利厚生もチェックしましょう。
いくら収入がアップしても、自分の理想とする働き方や社内環境でなければ、心身ともに疲弊してしまいます。
年収だけにとらわれず、賞与や福利厚生などを総合的にみながら、転職先候補をピックアップしていきましょう。
高収入の業種を狙う
転職でキャリアアップし年収を上げたいと考えている人は、高収入の業種への転職を目指しましょう。
前述のとおり、インフラや金融・情報通信業は高年収の傾向にあります。
しかし「想定していた業種で働けなかった」となると、結局年収が変わらず転職したことを後悔してしまう場合があります。
今までと業種を変えて転職する場合、年齢を重ねるほど採用は難しくなります。
20歳代など若いうちに業種転換を検討するとよいでしょう。
無理な転職は控える
年収アップを目指して転職活動に必要以上に力が入ってしまうと、本業を疎かにしてしまう可能性があります。
もし転職できたとしても、満足いかない結果に終わることも考えられます。
無理に転職しようとしている場合は、一度立ち止まり「現職でも年収アップできる手段はないか」「長期的な視点を持ち一時的な年収ダウンを受け入れるか」といったことを振り返ってみましょう。
まとめ
年収1500万円の人は、国内でも全体の約1%とごくわずかです。
しかし、転職やキャリアアップでの収入増ができれば、上位1%に食い込める可能性もあるでしょう。
一方、日本の平均年収は458万円と、年収1500万円を目指すには厳しい道のりが待っています。
将来的な年収アップを考えているのであれば、投資で資産を増やすのも、選択肢の一つとして検討しておくとよいでしょう。
参考資料
- 連合「粘り強い交渉で定昇除く賃上げ分3%超えが続く!~2024 春季生活闘争 第6回回答集計結果について~」
- 国税庁「令和4年分 民間給与実態調査統計」
- 金融庁「NISAを知る」