「すごく自由で楽しい」小学校でロボットプログラミング GMOが教材提供・指導で活動支援 企業のサポートが教育格差の縮小に

GMOインターネットグループが、次世代の人材育成に向けた新たな取り組みを開始した。社員を指導員として小学校に派遣し、教材を提供し、クラブ活動をサポートする。

「熱意が違う」GMOがプログラミング活動支援

GMOは17日から、東京・渋谷区の小学校でロボットプログラミングのクラブ活動の支援を始めた。

GMOの社員を指導員として派遣し、教材のロボットなどを提供して、2025年2月まで全8回のクラブ活動を支援する。

指導を受けた児童は、タブレットでプログラムを組んでロボットを操作していた。

小学4年生の児童:
「失敗してもいいから、友達とちゃんと協力してやってください」みたいな。すごく自由で楽しかったです。

GMOインターネットグループ・成瀬允宣デベロッパーエキスパート
今回の取り組みは普通の授業とは違い、興味がある子に合わせた授業を展開しているので、熱意が違う。

渋谷区は「子どもたちのワクワク感、可能性が最大限に引き出されることを期待している」としている。

プログラミングが課題解決力と創造性を養成

「Live News α」では、津田塾大学教授の萱野稔人さんに話を聞いた。

堤礼実キャスター:
今回の試み、萱野さんはどうご覧になりますか。

津田塾大学教授・萱野稔人さん:
プログラミング教育は小学校や高校で必修化され、2025年1月の大学入学共通テストでは、「情報」が新たに試験科目として採用されます。プログラミング教育が重視されるようになった理由は主に二つあります。

一つは、私たちの生活や経済、さらには文化まで、あらゆる活動がコンピュータによって支えられているということです。子どもたちが将来どんな生活をし、どんな仕事に就こうとも、コンピュータと無縁ではいられません。

そして、その仕組みはプログラミングによって生み出されています。プログラミングについて知ることは、私たちの活動がどのような仕組みで支えられているのかを理解することにつながります。

もう一つの理由は、プログラミングとは何かということに関わっています。プログラミングとは、課題解決や目標達成のための段取りを、筋道を立てて考えることなんです。つまり、プログラミング教育では、これからの時代にますます必要とされる課題解決や、目標達成のための論理的思考と創造性を同時に育むことができます。

専門的な教員・時間枠不足で難航

堤キャスター:
子どもたちへのプログラミング教育を企業が支援することについてはいかがですか。

津田塾大学教授・萱野稔人さん:
例えば小学校では、必修化されたとはいえ新しい教科ができたわけではありません。児童たちは算数や国語といった従来の科目のなかで、プログラミングについて学ぶことになります。

さらに何年生のどの教科で、何時間ぐらい教えるのかは、各学校に委ねられています。専門的な教員が配置されているわけでもないため、多くの小学校が頭を悩ませています。

IT企業が教育現場におけるプログラミング教育を支援する意義がここにあります。今後はこうした支援が広がっていき、地域や家庭環境によるプログラミング教育の格差が縮小していくことを期待したいです。

堤キャスター:
才能や関心があっても、こういったものに触れる機会が少ないと、伸びるものも伸びません。情報化社会となった今、こういった経験から子供たちの可能性がより広がっていくことを期待したいです。
(「Live News α」6月17日放送分より)

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