姫路城“外国人観光客の入場料を4倍に”市長が国際会議で発言 国籍をどうやって判断するのか?課題も

外国人観光客を対象とした値上げ発言に波紋が広がっている。16日の国際会議で姫路市長が、世界遺産「姫路城」の入場料について、外国人観光客を対象に約4倍の値上げを検討していると発言した。

姫路城の外国人観光客が過去最多に

姫路城の2023年の入場者の数は約148万人、そのうち外国人観光客は3割を占め、約45万人で過去最高となった。

現在の入場料は18歳以上で1000円(約7ドル)だが、姫路市長は、外国人観光客に対しては入場料を約30ドルに設定し、市民は約5ドルに下げると発言している。他にも市長からは「修繕などにお金がかかる」などの発言もあった。

いわゆる二重価格だが、他にも外国人観光客のために看板やパンフレットを作ることもあり、いろいろとお金はかかりそうだ。

SPキャスター・橋本徹氏:
徴収したお金をしっかりと観光客に向けてのサービスに使うということを前提で、あとは倍数よりも絶対額を見た時に、われわれが海外に行った時の観光名所って大体20ドルから30ドルですよ。日本の観光名所、お寺とかを見たら、有名なお寺でも400円とか500円。これ安すぎます。
だから僕は、姫路市長はものすごい問題提起をして僕は大賛成なんですが、気をつけなきゃいけないのは、外国人だけ上げるということになると、外国人かどうかどうやって見分けるか。一歩間違うと、髪の毛の色、肌の色、目の色とか、本当はやってはいけない外見での区別につながりかねない。まずは金額を全部上げておいて、日本人の場合にはID、僕はマイナンバーカードを使えばいいと思っている。日本人はIDを出した場合だけ下げるということにしないと、外国人だけ高くするとなるとちょっと危ない方向になるのかなということで、政府もそこは問題意識を持っている。

国籍を見た目で分けることに懸念も

世界の観光名所の入場料を見ると、エジプトのピラミッドはアラブの人たちは約200円で、外国人は9倍の約1800円となっている。

また、インドのタージマハルは、インド人は約95円で外国人観光客は22倍の約2075円となっている。

価格を4倍にするという案について、観光学が専門の城西国際大学・佐滝教授は「公共施設で二重価格は初めてのケースではないか」「(4倍価格は)思い切った設定」と指摘している。

一方で、「国籍を見た目で分けるのは難しい」「日本に住んでいる外国人と外国人観光客をどう見極めるのか」など、課題もあると指摘している。

差別に繋がることはあってはならないので、海外から訪れる人も、日本から訪れる人も、そして地元の人も、みんなが納得できるよう、今後議論が重ねられると思われる。
(「イット!」 6月17日放送より)

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