本県初、佐直さん(東根)が大賞 全国のプロ対象コンテスト「日本写真館賞」

「日本写真館賞」で大賞に選ばれた「イチョウの中で」

 協同組合日本写真館協会(東京)が主催するコンテスト「日本写真館賞」で、佐直写真館(東根市)の佐直和春さん(49)が本県で初めて、大賞(経済産業大臣賞)に輝いた。プリントにこだわった一枚で最高評価を受け、「純粋にうれしい。プリントして完成する写真の良さを知ってもらいたい」と話している。

 コンテストは、写真館などのプロ写真家を対象にしている。17回目の今回は、7部門に計1862点の応募があった。大賞は全応募作の中から1点で、今月11日に横浜市で授賞式が行われた。

 大賞に選ばれたのは、ロケーション部門で応募した「イチョウの中で」。天童市の県総合運動公園のイチョウ並木で、女児が楽しそうに駆けるシーンを切り取った。撮影自体は5年ほど前に行っていたが、コンテストへの出展を温めていた作品だった。

 一般的に用いられる光沢のある台紙に印刷すると、朝露の光が強く出過ぎると感じていた。試行錯誤を重ねる中、光沢を抑えたマットペーパーにプリントすると、全体の雰囲気が落ち着き、イメージ通りの柔らかな色合いを表現できた。

 日本写真館賞に10年以上応募を続け、これまでも部門別の優秀賞などを受けてきた佐直さん。「ようやく大賞を取ることができた。挑戦を評価されたことがうれしい」と喜ぶ。コンテストに挑むことで、被写体を生かすアイデアの幅が広がるなど、自身の成長につながったと実感している。

 近年はデジタル化の進展などで、データでの受け渡しを希望する客が増えてきているという。佐直さんは受賞を機に、プリントすることで引き出される写真の良さがあることも伝えていきたいとの思いを強くしている。

佐直和春さん

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