山形・銅町交差点、「フリーレーン」効果検証 混雑緩和へ社会実験開始

右折レーン廃止などで混雑緩和を図る県の社会実験が始まった銅町交差点=山形市土樋

 朝夕に渋滞が発生している、山形市の主要地方道山形天童線銅町交差点で、県は17日、混雑緩和に向けて右折レーンを廃止するなどの社会実験を開始した。幅広い1車線の「フリーレーン」に変更し、渋滞の発生などが少なくなるかを検証する。

 同市北部の千歳橋南側にある銅町交差点は「主要渋滞箇所」で、市は県に対して周辺の4車線化を要望している。4車線化には橋の拡幅工事が必要で、県は市や山形署と連携し、車線の見直しによって混雑を緩和できないかを検証することにした。昨年9月の調査では、JR山形駅方面に向かう南進車線の右折車は全体の5%ほどと少ない。一方、直進は61%、左折34%だった。通勤・帰宅時間帯には160~220メートルに及ぶ信号待ちの車が滞留している。

 社会実験は、南進車線の約6メートルの道幅を有効活用して混雑の緩和につなげようと、右折レーンと直進・左折レーンの境界をなくし、1車線にした。中央には直進車の走行の目安を引き、3カ所に設置した看板で左折車は左端、右折車は右端を走るよう促し、接触事故防止を図る。

 北進の対向車線は左折、直進、右折の3車線から左折と直進・右折の2車線に変更。直交する市道側は右折車による滞留が発生している点を踏まえ、交差点内で右折を待機させる誘導レーンなどを設けた。社会実験は本年度末までの計画で、9月と来年2月ごろに交通量調査を実施して効果や安全性を検証する。

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