中国がEU産豚肉への調査開始、打撃への懸念も―香港メディア

17日、香港メディア・香港01は、中国が欧州連合(EU)から輸入される豚肉や豚肉製品に対するダンピング調査実施を発表したと報じた。

2024年6月17日、香港メディア・香港01は、中国が欧州連合(EU)から輸入される豚肉や豚肉製品に対するダンピング調査実施を発表したと報じた。

記事は、中国商務部が17日、同日より欧州原産の輸入豚肉および豚肉製品に対するダンピング調査を実施することを発表し、生鮮、冷凍の肉や腸、ぼうこう、胃が重点的な調査対象になると紹介した。

そして、欧州委員会が先日、7月より中国製自動車に対して反補助金の追加関税を発動する方針を決定したことに言及し、スペインのクエルポ経済・商業・企業相が「貿易戦争を起こしてはならないのと同様、補助金競争も起こってはならない。われわれはEUと協力して解決方法を探し、業界が損害を受けない状況で活路を見出したい」とコメントしたことを伝えた。

また、欧州委員会の報道官が17日「EUは現段階で、中国によるダンピング調査に憂慮を抱いていない。調査が世界貿易機関(WTO)の関連ルールに適合するよう適度に介入する」とコメントしたことも紹介した。

記事によると、中国による調査実施で影響を大きく受けるのはスペインやオランダ、フランス、デンマークの4カ国。このうち、スペインのプラナス農業相は中国の調査が1年以上かかる可能性があり、中国は直ちに関税などの措置を講じることはないとした上で、コミュニケーションや交渉を通じて関税発動を回避する道を模索する意向を示している。

スペインの豚肉生産業者業界のデータによると、同国は昨年中国に豚肉製品を56万トン、12億ユーロ(約2000億円)輸出しており、同国の豚肉製品総輸出量、中国の豚肉製品輸入量のそれぞれ20%程度を占めた。

一方で、英ロイターによると、デンマークの農業・食品理事会からは、中国が欧州産肉類の輸入を制限することにより、国内の豚肉業界が深刻な打撃を受けるのではないかとの懸念が出ているという。(翻訳・編集/川尻)

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