【旅レポ】日本一デカい大仏は“福井”にあった。名勝庭園のインフィニティ縁側で涼み、越前おろしそば&黒龍に酔いしれる1日旅へ

by 編集部:白江ちなみ

北陸新幹線に乗って夏の福井旅へ。日本一デカい大仏、越前おろしそば、黒龍酒造など見どころを紹介します

JR福井駅前のホテル「コートヤード・バイ・マリオット福井」(福井県福井市中央1-3-5)の案内による宿泊体験&プレスツアーに参加してきました。

北陸新幹線に乗って、東京から最短2時間51分で行けるようになった県都・福井市。そこを起点に、日本一デカい大仏に越前おろしそば、黒龍酒造などめぐる、夏の福井旅を紹介します。

関連記事

「コートヤード・バイ・マリオット福井」の朝食ビュッフェでパワーチャージ。いざ福井探訪に出発!
北陸新幹線の敦賀~金沢開通にあわせて整備されたJR福井駅。西口には「恐竜広場」が設けられています

インフィニティ縁側に座って“水の庭”を眺める。名勝「養浩館庭園(旧御泉水屋敷)」へ

JR福井駅から歩いて15分ほどの場所にある名勝「養浩館庭園(旧御泉水屋敷)」(福井県福井市宝永3-11-36)。新緑の自然と調和したこの美しい“水の庭”は、かつて福井藩主・松平家の別邸だった数寄屋造りの屋敷に広がる回遊式林泉庭園です。

江戸時代初期~中期にかけて造られた記録が残っています
屋敷の縁側に座って回遊式林泉庭園を眺められます

大きな池を中心に広がる庭、その池に浮かぶようにして建つ屋敷内には「御座ノ間」「御月見ノ間」「御湯殿」などの続き間があり、調度品や襖絵を鑑賞したり、縁側に座ってゆっくり寛いだり、庭を散策したりと、今でいう“インフィニティ”な空間で過ごすことができます。

その優美さは、米国の専門誌「ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」による日本庭園ランキングでも上位に選ばれるほど。秋には紅葉も楽しめます。

入園料は大人220円。中学生以下、70歳以上、障がい者手帳を持つ人と介助者は無料。

数寄屋造りの屋敷内の調度品や襖絵を鑑賞
池のまわりの庭園遊歩道もぐるっと散策可能です

日本一デカい大仏、実は「越前大仏」。穏やかなお顔に癒やされ、五重塔からは絶景を楽しみます

その大仏が鎮座するのは、奥越・勝山にある臨済宗妙心寺派の寺院「大師山清大寺」(福井県勝山市片瀬50-1-1)。JR福井駅からはクルマで約40分、えちぜん鉄道と京福バスを乗り継いでもアクセスできます。

22ヘクタールもの境内には、大門や九龍殿、宝仏殿などの伽藍が点在し、そして奥に進んだ先の大仏殿のなかに「越前大仏」があります。高さは12mで、同じく坐像である“奈良の大仏”より2mほど大きめ。手のひらだけでも3.6m。使用されている銅は220トンにおよび、創建当時は鋳造物として世界最大とも言われたそうです。

越前大仏のモデルは、仏教伝来のルーツである中国河南省洛陽市郊外の「龍門拳先寺座像」。顔や首が端正で穏やか、切れ長の目をやや下に向けた美しい姿が特徴です。

昭和62年(1987年)建立なので、わりと最近開眼した越前大仏。元々は個人が建てた所有物が、のちに勝山市から大師山清大寺で管理されるようになりました

また大仏殿の北側に建つ五重塔は、相輪までの高さが75m(京都の東寺は55m)。最上階には阿弥陀如来、釈迦如来、薬師如来が安置されており、てっぺんに上った濡れ縁からは勝山の街並みも一望できます。

拝観料は、大人500円、小・中・高校生300円。

福井の名物グルメ「越前おろしそば」はマストで食べたい。古刹・永平寺の門前町にある名店へ

お昼ごはんを食べにやってきたのは、曹洞宗の大本山・永平寺の門前町近郊にある「けんぞう蕎麦」(福井県吉田郡永平寺町松岡春日3-26)。昭和天皇が福井を訪問された際にお気に召したことから全国に広まったという「越前おろしそば」の人気店です。この日は平日でしたが、ランチ時には絶えない行列が。

ランチは福井県のご当地グルメ「越前おろしそば」の名店へ
行列必至の人気店「けんぞう蕎麦」は永平寺町にあります
御年86歳のご主人・髙柳謙造さん。ご自宅を改装し26年前に店をオープン

福井県産と北海道産のそば粉をブレンドした打ち立ての十割蕎麦にこだわっており、看板メニューは、ご主人・髙柳謙造さんの名を冠した「けんぞうそば」(並盛1100円)。辛味大根のしぼり汁に、特製だしつゆをお好みの塩梅で加え、つけ麺にして味わいます。ツーンと爽やかな辛味大根がその蕎麦の甘みと香りを引き立てる逸品でした。

一方、定番の「おろしそば」(並盛770円)は大根おろしたっぷりの特製だしをかけて、ネギと鰹節をトッピング。2種類の大根をブレンドしているので、小さい子供でも食べられるくらい、甘めでやさしい味わいです。その両方を一度に楽しめる「五合そば」(2~3人前3950円)もありますよ。

ちなみにJR福井駅~永平寺エリアは、クルマや京福バスの特急永平寺ライナーを利用して30分ほどでアクセスできます。

看板メニューのけんぞうそばと定番おろしそばをどちらも楽しめる「五合そば」

まるでジブリの世界!? 美しい苔の道がどこまでも続く「平泉寺白山神社」をさんぽ

続いては1300年超の歴史を持つ「平泉寺白山神社」(福井県勝山市平泉寺町平泉寺56-63)へ。養老元年(717年)、泰澄大師によって開かれたと伝わり、白山信仰の越前側の拠点に。明治時代の神仏分離令によって寺号が廃止され、本社や拝殿、鳥居などが「白山神社」として残されました。

また、日本一有名な崖「東尋坊」(福井県坂井市三国町安島)は、平安時代の終わり平泉寺にいた僧侶の名前。あの断崖絶壁から突き落とされたことが由来になっており、東尋坊さんの屋敷跡も平泉寺にあります。

なかでも見どころは、一面の緑で覆われた美しい苔。中腹の精進坂を進んだ先、静寂に包まれた拝殿や大石垣の辺りには、みずみずしいスギゴケやヒノキゴケが自生。司馬遼太郎「街道をゆく18越前の諸道」でも、その規模と質のよさが讃えられています。

見学・散策は無料。なお、境内にある国名勝「旧玄成院庭園」は拝観料50円、白山神社公式観光ガイドは2200円(要予約)です。

黒龍を育んだ九頭竜川沿い。北陸の酒と食文化を伝える「ESHIKOTO」で飲んで、食べて、酔いしれて!

最後に紹介するのは、2022年6月にオープンした複合施設「ESHIKOTO(えしこと)」(福井県吉田郡永平寺町下浄法寺第12-17)。

ESHIKOTOという名前は、福井県を代表する蔵元「黒龍酒造」(福井県吉田郡永平寺町松岡春日1-38)の親会社にあたる石田屋二左衛門のオリジナルブランド日本酒から名付けられ、運営はその日本酒や黒龍などの販売部門を担う石田屋が手掛けています。

約3万坪ある敷地内には、発酵と熟成の場「臥龍棟」、カウンターで日本酒テイスティングなどができるラボのような空間「SAKE Laboratory」、同社の旗艦店となる「石田屋ESHIKOTO店」、おつまみと一緒に軽く飲む“アペリティフ”を楽しむパティスリー「acoya」などを擁します。

ヒンヤリとした巨大な貯蔵庫では、スパークリング日本酒「ESHIKOTO AWA」を瓶内二次発酵する様子を見学可能。

また、福井の酒造りの源とも言える一級河川・九頭竜川と白山を眺めながら自慢の看板商品や特産梅を使った梅酒、「黒龍大吟醸ソフトクリーム」(イートイン611円/テイクアウト600円)を味わうことも。お酒好きなら一度は訪問したい福井の最旬スポットでした。

スパークリング日本酒「ESHIKOTO AWA 2020 Extra Dry」と福井の特産である梅を仕込んだ「梅酒 13」をテイスティングしました。どちらも甘さよりキリっとしたキレとコクが美味
大人気の「黒龍大吟醸ソフトクリーム」。濃厚でなめらか、ミルク感たっぷりです
ちなみに「けんぞう蕎麦」のあった永平寺町松岡春日エリアには、黒龍酒造の本社と蔵元直営店である石田屋があります
酒造りや発酵は繊細。こちらで見学はできませんが、風情ある建物内でお土産探しが可能。「コートヤード・バイ・マリオット福井」のレストランでも、福井食材たっぷりの料理を地酒とともに味わえますよ

© 株式会社インプレス