ペルーによる中国投資呼び込み、米国の反感は予想せず=首相

Marco Aquino

[リマ 17日 ロイター] - ペルーのアドリアンセン首相は17日、近く予定されているボルアルテ大統領の中国訪問や、中国企業によるペルー向け投資拡大が、米国の「恨み」を買うことはないとの見方を示した。

ボルアルテ氏は今月末に訪中し、習近平国家主席と会談するほか、通信機器ファーウェイ(華為技術)や電気自動車BYD(比亜迪)といった中国企業の幹部と面会する。特に南米とアジアの主要貿易拠点として期待されるペルーのチャンカイ港の各種設備建設を主導している中遠海運港口有限公司(コスコ・シッピング・ポーツ)の幹部とは、真っ先に会うことになっている。

ペルーで近年、中国企業の投資が増加の一途をたどっていることは西側諸国の懸念要素となっており、中でもチャンカイ港整備計画は中国に対抗して南米投資を進めたい米国や欧州にとって「目の上のこぶ」的存在と言える。

しかしアドリアンセン氏は「米国などの我が国の友人たちが、中国勢の(ペルー向け)投資を呼び込んだからといって憤慨するとは考えていない」と語った。

またアドリアンセン氏は、チャンカイ港の輸出能力を強化する上では、10年にわたって提案ベースにとどまっているペルーからボリビア、ブラジルを結ぶ鉄道の建設計画を再び現実の検討課題にするべきだと指摘した。

ボルアルテ氏の面会相手には、鉄道インフラ整備を手がける中国鉄建も含まれている。

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