2024年に「新しいお札」が発行されると、タンス預金が全て「旧札」になってしまいます。このままタンス預金を続けても大丈夫ですか? 銀行で交換する必要はあるのでしょうか…?

2024年に日本円の新紙幣発行! 新紙幣発行の目的とは

2024年7月3日から、日本銀行券の1000円、5000円、1万円の紙幣が一新されます。デザインが従来の紙幣から大きく変更され、肖像画も千円札は北里柴三郎、五千円札は津田梅子、一万円札は渋沢栄一になります。

新紙幣発行の主な目的は「偽造防止の強化」です。

単にデザインが変更されるだけでなく、偽造防止のためにさまざまな技術が新たに施されています。肖像のすき入れの周りに細かい模様の透かしが入る「高精細すき入れ」、描かれている顔が見る角度によって動く「3Dホログラム」など、偽造防止技術が追加されているのが最新の紙幣の特徴です。

旧紙幣のままでタンス預金することにリスクはある?

いま現在タンス預金をしている人は、2024年7月3日以降は全紙幣が旧札になってしまいます。

旧紙幣のままでタンス預金を続けると、税金が課されるなどのリスクが生じるのでしょうか?

将来的には使えなくなるかもしれない

タンス預金のお金が旧紙幣になったとしても、急いで新紙幣に交換するために銀行にお金を持ち込む必要はありません。新紙幣が発行されたとしても、旧札の法的効力が失われるわけではないため、店舗での支払いなど問題なく利用できます。

現行の野口英世よりも古い夏目漱石が描かれている千円札や、さらに古い聖徳太子が描かれた一万円札でも額面のまま使用できます。

ただし、年月が経過すると店舗での支払いには使えても、いずれ自動販売機やATM等で読み込みができなくなる可能性があります。旧紙幣をタンス預金している場合、少しずつ新紙幣に変えていくことが必要になるでしょう。

200万円を超える紙幣を新紙幣に変えようとする際には注意が必要

前記の通り、タンス預金はすぐに新紙幣に交換する必要はありません。ただ、人によっては全額を新紙幣に変更したいと思う人もいるかもしれません。

200万円を超えるタンス預金を新紙幣に変える場合、「犯罪による収益の移転防止に関する法律(犯罪収益移転防止法)」にもとづいた調査がされる可能性に注意が必要です。

多額の現金を持ち込むことで銀行が犯罪を疑った場合、犯罪収益移転防止法にもとづいて国に届け出る可能性があります。

一般社団法人全国銀行協会によれば、犯罪収益移転防止法について「200万円を超える現金の受け払いをする際は、氏名、住居、生年月日などを確認する」としています。

まとめ

タンス預金が新紙幣になったからといって、直ちに全額を銀行に持ち込んで新紙幣に変えたり預金したりする必要はありません。ただし、もし新紙幣目的で銀行に高額なお金を持ち込むなら、犯罪収益移転防止法による本人確認をされる可能性を考慮しておきましょう。

出典

国立印刷局 2024年7月3日 お札が変わります
一般社団法人全国銀行協会 犯罪収益移転防止法に関するよくある質問・回答
e-Gov法令検索 犯罪による収益の移転防止に関する法律

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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