アヴィーチーの父「毎日、息子のことを恋しく思っているが、ときどき怒りもある」

Photo by Sean Eriksson

スウェーデン出身のDJ/プロデューサーのアヴィーチーが28歳でこの世を去ってから、今年4月で6年が経った。

アヴィーチーの写真集が出版されるのを機に、英国の公共放送BBCのインタビューに応じた父、クラースさんは、自ら命を絶った息子を「常に恋しく思っている。毎日、話しかけている」が、「認めるよ。僕は時々、彼に対し怒りを感じている。なぜ、あんなことをしたんだ? なぜ、僕らのもとを去ったんだ?」と、複雑な想いを語っている。

家族は、子供のときから不安を抱えていたアヴィーチー(本名:ティム・バークリング)が、音楽の世界で成功し、プレッシャーや忙しさからメンタルヘルスの問題が悪化したのを承知しており、セラピーやリハビリを受けるよう説得し、支援してきたそうだ。リハビリ後、良くなったと感じた時期もあったが、あのような結果となり、いくらセラピストたちから「多くの場合、できることはない」と言われても、クラースさんら家族はやはり、「自分は間違ったことをしたのだろうか?」との罪悪感からは逃れられないという。

クラースさんは、2019年、アヴィーチーの本名を冠したティム・バークリング基金を設立し、メンタル・ヘルスの問題に苦しむ若い人たちを支援している。

また、息子のことをもっと知って欲しいと、今週、写真集『Avicii: The life And Music Of Tim Bergling』の英語版を出版した。「アヴィーチーの名声以上のものを人々に見て欲しい」と、写真を厳選し、タイトルに本名も入れた。死後発表されたアルバム(2019年)を『TIM』と名づけたのも同じ想いからだったという。

Ako Suzuki

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