初期Jリーグのスター アルシンドさん流山訪問 市に協力「トモダチナラ、アタリマエ」

井崎市長(右)にサイン入り色紙を寄贈するアルシンドさん=流山市

 サッカーJリーグ発足当初に鹿島アントラーズなどで活躍したアルシンド・サルトーリさん(56)が流山市役所に井崎義治市長を訪ね、スポーツを通じての市への協力を申し出た。現在はブラジルで農場主のアルシンドさん。同市南流山で整体院を営む日系ブラジル人の友人がいる縁で、市になじみが深い。新型コロナ禍で5年ぶりの訪問となった市の印象を「街が大きくなり発展した」と語った。

 アルシンドさんは1993年からJ1では鹿島とヴェルディ川崎にフォワードとして所属。138試合に出場し85得点を挙げた。CM出演などでお茶の間にも進出し、サッカーを超え幅広く親しまれる存在となった。

 流山市役所を訪問したアルシンドさんは「久しぶりに日本に遊びに来た」と話し、「日本に来るといつも平和を感じる。また日本人が自分に敬意を払ってくれるのがうれしい」などと変わらぬ笑顔を見せた。流山については「環境に優しい街で、スポーツにも力を入れている。自分にできることは何でもしたい」と力を込めた。井崎市長が感謝すると、テレビCMでの決め言葉で流行語となった「トモダチナラ、アタリマエ」で応じ、笑いを誘った。

 アルシンドさんはブラジル南部の大都市クリチバ市近郊の出身。市長就任前に都市計画コンサルタントとしてクリチバを訪れたことがあるという井崎市長が「流山をクリチバのような都市計画のしっかりした美しい街にしたいと思い取り組んできた」と話すと、大きくうなずいていた。

 アルシンドさんは流山市のほかにも、柏市内で柏レイソルのコーチらとの面会や茨城県取手市の小学校での児童たちとの交流などの日程をこなした。滞日中には鹿島OBで元サッカー日本代表監督のジーコさんとも面会し、17日に帰国の途に就いた。

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