【湘南】今季J1初出場の副将・舘幸希。リベロで躍動も、自身の出来に満足できず「やりたいようにやられてしまった」

湘南ベルマーレは6月16日、J1第18節で名古屋グランパスと敵地で対戦し、1-1のドローに終わった。

この日のゲームキャプテンを担ったのは、3バックの中央で今季リーグ戦初出場を果たした副将の舘幸希だ。ディフェンスリーダーとして周囲に声をかけつつ、時には自らが前に出てアグレッシブにプレーした。

舘は6月上旬に怪我から復帰し、同月12日の天皇杯2回戦・甲南大学戦(3-1)で今季の公式戦で初出場。名古屋戦でも一定の安定感を発揮したように見えたが、本人は満足していないようだった。

「天皇杯からの相手のカテゴリーの違いもあり、今日は苦戦しました。名古屋はそこまでプレッシャーは速くなかったけど、締めるところをしっかりと締められて、やりたいようにやられてしまった。個人としても、体力的に90分やれなかったので、課題が残る試合になりました」

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舘は身長174センチとCBの中で大柄なほうではないが、チーム随一の対人守備の強さと跳躍力、機動力が魅力で、その武器を活かしやすい3バックの両脇(ストッパー)を主戦場としていた。

2020年のプロ入り後はあまり経験してこなかったリベロで、舘が強く意識した戦い方はこうだ。

「自分たちがより高い位置を取って、相手をゴールから遠ざけようという意識を持ってやっていました。永井(謙佑)選手のようにスピードのある選手がいたり、山岸(祐也)選手のように起点を作れる選手がいたり、簡単にインターセプトさせてくれるような相手でないのは分かっていたので」

舘について、山口智監督は「中心選手になってほしいひとり。真ん中でキャプテンマークをつけて周囲のサポートをして、最終ラインでチームを支える働きを期待した。実際、パフォーマンスは良かった」とコメント。選手会長を務めるほど、ピッチ外でも信頼度の高い背番号4は、指揮官の期待通りにピッチ内でもチームを先導する存在になれるか。

舘が中心的な選手へと成長すれば、リーグワースト2位の33失点を喫している守備の改善も進みそうだ。

取材・文●岩澤凪冴(サッカーダイジェスト編集部)

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