Ridge-I開発のAIモデル、電子国土基本図の更新業務に採用–衛星画像から変化を抽出

Ridge-I(東京都千代田区)は6月18日、開発した大規模地物変化分析AI(人工知能)技術「RIDGE DUAL AI」の変化検出AI機能(AIモデル)が国土地理院の電子国土基本図の更新業務に採用されたことを発表した。

電子国土基本図の更新は、地図情報と空中写真を目視で比較することで範囲を決定していたため、時間がかかっていたという。Ridge-Iは、AIを活用した衛星画像で変化したところを抽出する技術と衛星画像分析システムを開発した。

Ridge-Iが開発、提供したAIモデルは、異なる2つの時期に撮影した画像をもとに家屋や道路の変化を抽出可能。電子国土基本図の更新業務では、今回のAIモデルが搭載されるウェブアプリケーションも作成したという。

AIモデルからの分析結果は、地図修正業務に直接応用できるフォーマットで出力されるだけでなく、作業員がシステム内で効率的に修正し、アノテーションとして蓄積できるシステムとして設計、実装したと説明。将来的に多くの教師データがたまった時に効率的なAIモデルが更新できるとしている。

国土地理院で地図を更新するための変化抽出作業は、目視で進めるために1年でできる範囲は国土全体の10分の1程度が限界という。今回のAI モデルとウェブアプリケーションを活用することで、国土全体の変化を網羅的に可視化でき、変化の多いエリアを重点的に更新することで地図更新の効率化が期待できるとし、より実態に即した地図情報に更新できるとしている。

RIDGE DUAL AIイメージ(出典:Ridge-I)

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Ridge-Iプレスリリース(PDF

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