由伸、ベッツ…アクシデント相次ぐド軍で際立つ右腕の存在感! 7回無失点の力投をMLB公式も絶賛「完璧に近い投球を求めていた」

エースが貴重な白星をチームにもたらした。

ロサンゼルス・ドジャースは現地時間6月16日、本拠地でカンザスシティ・ロイヤルズと対戦し、先発のタイラー・グラスノーの7回無失点の好投もあり、3-0で2試合ぶりの勝利を手にした。グラスノーは今季7勝目を挙げている。

大谷翔平が18・19号と2本塁打、さらにフレディ・フリーマンも10号を記録し、主軸の援護もあったこの試合だが、チームはネガティブな雰囲気に包まれる一日となった。前日、緊急降板となった山本由伸の負傷者リスト(IL)入りが発表され、さらにこの日の終盤にはムーキー・ベッツが死球により退場。後に左手を骨折したことが伝えられた。

今後のシーズンの戦いを大きく左右しかねないアクシデントが相次いだこのカード、右腕の力投がチームを救う結果となった。ロースコアで進む試合展開でもロイヤルズ打線に対しわずか3安打しか許さず、9個の三振を奪い好機を作らせなかった。自身にとっても5月5日以来、久々の白星を手繰り寄せた。

試合後、メジャー公式サイト『MLB.com』でもこの日のドジャースのゲームや、グラスノーのピッチングを振り返っている。

その中で、「ドジャースがタイラー・グラスノーに完璧に近い投球を求める日があるとすれば、それは日曜日だった。そして、彼はまさにそれをやってのけた」と右腕の貢献度を強調。続けて「ドジャースは12連戦の真っ最中だった。その日のうちに、ヨシノブ・ヤマモトが右回旋筋腱板の張りで故障者リスト入りすることが発表され、前日の短い登板でドジャースのブルペンは消耗していた。ムーキー・ベッツが左手に打球を受けて骨折する前のことである」とこの日のチーム状況を説明している。

また、グラスノー個人のパフォーマンスについても、「ここ最近は少々苦しい状況だった。過去6回の先発のうち5回に負け、その間の防御率は4.00だった」と指摘するとともに、「しかし、カンザスシティ戦での彼の投球を見れば、そんなことは分からないだろう。グラスノーは鋭く効率的で、7回を投げきるのに85球しか必要とせず、そのうち62球がストライクだった」と称賛の言葉を並べた。

さらに、デーブ・ロバーツ監督のコメントも掲載。「7回を投げきったことは非常に大きなことであり、本当に本当に助けになった」と労いと感謝の声などが紹介されている。

投打の中心選手の長期離脱が決定的となったこの日、チームの士気を保つ上でも大きな勝利となったことは明らか。そしてこの先の戦いの中でも、シーズン初戦からドジャースを支えるグラスノーの存在感はさらに際立ってくるはずだ。

構成●THE DIGEST編集部

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