中国、EU産豚肉のダンピング調査を開始 EV追加関税に対抗か

北京市内のスーパーで豚肉を吟味する買い物客/Wang Zhao/AFP/Getty Images

ロンドン(CNN) 中国政府は、欧州連合(EU)の主要輸出品である豚肉のダンピング(不当廉売)に関する調査を開始した。EUはこの数日前に中国の電気自動車(EV)への関税引き上げを決めている。

中国商務省は17日、国内の農業生産者からEU産豚肉と豚副産物に対する調査の要請があったとし、予備調査で価格が人為的に低く設定されているかどうかの正式な調査を行う十分な根拠が見つかったと発表した。

調査は1年以内に終了する見込みだが、6カ月延長される可能性もあるという。

中国の豚肉消費量は世界最大で、EUの主な輸出先でもある。豚肉の関税が引き上げられれば、欧州の生産者にとって大きな打撃になる可能性がある。EUの豚肉生産量は中国に次いで世界2位だ。

中国はすでにEUから輸入されたブランデーに対するダンピング調査を開始している。ワインや高級品も対象にする可能性もあるとの見方もある。

欧州委員会の報道官は17日、記者団に対し、EUは豚肉製品に関する調査を注視し、調査が世界貿易機関(WTO)の規定に準拠するよう「適宜介入」すると語った。

欧州委員会は先週、中国で製造されたEVに、既存の関税10%に加えて17.4~38.1%の追加関税を適用すると発表した。この措置により、最高税率は50%近くになる。

EUは、中国の過剰生産により安価な輸出品が他国の市場にあふれているとの懸念から、中国の補助金を受けた風力タービン企業と太陽光パネル企業に対する調査も実施している。

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