対話重視、決意新たに 比嘉麻乃さん 中城村長選で初当選 沖縄

初当選を果たし、花束を受け取る比嘉麻乃さん(中央)=16日、中城村の南上原公民館

 新人で前村議同士の一騎打ちとなった中城村長選は16日、比嘉麻乃さん(50)=無所属=が当選した。同日午後11時3分、比嘉さんと支持者が集まる中城村の南上原公民館に当選確実の吉報が入ると、館内は大きな拍手と歓声に包まれた。喜びをかみしめるように、ゆっくりと両拳を握りしめた比嘉さん。一緒に開票を見守った浜田京介村長と握手を交わし、自身が掲げた「女性目線を生かした、やさしく丁寧な村政運営」の実現へ大きな一歩を踏み出した。

 42歳で村議補選に挑戦して3期8年務めた。子育て支援などに注力。今期限りでの引退を表明している浜田村長に後継として指名され、出馬を決めた。姉の岡庭志乃さんは「会いに行くといつも勉強している。とても頑張り屋さん」と振り返った。

 那覇市出身で、選挙期間中、村外出身への戸惑いの声も少なくなかったが、選挙事務所では笑いが絶えなかった。比嘉さんは「ネガティブな声が聞こえないようにと、周囲の徹底した明るい雰囲気が心の癒やしで、支えだった」と話す。

 16日夜、胸元に同村の島ニンジンのブローチをあしらい、支援者らと握手を交わした。笑顔で祝いの花束を受け取り、家族から「お疲れさま」とねぎらいの言葉を受けると涙があふれた。

 「今後はしっかりと(手腕を)見て、注意もしてほしい」と頭を下げた。繰り返し訴えた対話姿勢を大切に、同村初の女性リーダーとして、新しい風を吹かせる決意を示した。

 (小浜早紀子)

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