ジャスト回避と変化の術の気持ちよさが脳天に突き刺さる『Black Myth: Wukong(黒神話:悟空)』プレイレポ

ジャスト回避と変化の術の気持ちよさが脳天に突き刺さる『Black Myth: Wukong(黒神話:悟空)』プレイレポ

Summer Game Fest 2024にて、Game Scienceが開発/販売する『Black Myth: Wukong黒神話: 悟空)』のプレイアブルデモをプレイしてきました。2024年8月20日にPS5/PC向けにリリースされる本作ですが、想像以上に楽しいアクション盛りだくさんのゲームでした。

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『Black Myth: Wukong』は2020年にUnreal Engine 4を採用したアクションゲームとして発表され、そのグラフィックとアクション性に本当にリリースされるゲームなのかと囁かれるほど、当時は大きな印象を残すデビューを飾りました。

そして2022年にUnreal Engine 5への移行を発表し、遂に2023年のThe Game Awardsで発売日を発表しました。なお、このときまではXbox Series X|Sも同時発売だったのですが、今年のSummer Game FestにてXbox向けは延期と発表され、新しい発売時期は不明です。

『Black Myth: Wukong』は“Journey to the West(西遊記)”を舞台にした作品となっており、主人公は如意棒を扱う悟空……と思っていたのですが、どうも主人公と悟空は別人説も出ていて真相は謎です。そのため当記事では主人公を“Wukong”と記載して誤魔化します。

舞台設定を質問したところ、原作「西遊記」の後となっているそうで、「西遊記」を読んでいなくても楽しめるようにストーリーは書かれているようです。

プレイアブルデモ版では製品版のゲームを開始した時点からプレイできるようになっていました。プレイ可能時間は約2時間、端末はPCでXbox向けコントローラーでプレイ。言語設定から日本語字幕を選択しています。

『Black Myth: Wukong』はオープンワールドではなくステージクリア型に近い構造です。戦闘の見た目や死亡時に経験値を少量失うなどの点からソウルライクに見えますが、実際はアクションRPGで、同席した開発者たちも「よくソウルライクと誤解されますがソウルライクではありません」と発言していました。

本作がユニークだと感じたのはボスの登場頻度です。最初のボスが現れたと思ったらすぐに次のボスが現れ、そしてまた新しいボスが~というように、とにかく頻繁にボスが出てきます。

戦闘アクションは非常に面白く、新しいボスの動きを見極めながら自分の動きが上達していく手応えは爽快。序盤の時点では厄介な動きをするボスが少なく、初見で倒せることもあれば2~3回リトライすれば倒せるような絶妙なバランスのボスばかりでした。登場頻度が多いのでいきなりプレイヤーの心の折るような難易度設定ではありません。

Wukongの主な攻撃手段は如意棒による打撃と魔法のような方術の2つ。そこに回避とジャンプを組み合わせて立ち回ります。方術以外のアクションは全てスタミナを消耗するので、スタミナ管理が非常に重要なアクションゲームです。

この手のゲームによくある近接ガードとパリィはありません。遠距離攻撃を如意棒を回転させて叩き落とすガードはありますが、近接攻撃は防ぐことはできません。『Black Myth: Wukong』は全ての攻撃を回避することで立ち回っていきます。敵の攻撃にタイミングを合わせてジャスト回避するとその場に残像を残して敵の背後に回り込み、一定時間攻撃力が増加します。これが決まると実に気持ちいい。

如意棒は弱攻撃と強攻撃を組み合わせたコンボが可能で、弱攻撃は小気味よい多段ヒットが多く、強攻撃は長押しすることで威力が上昇。如意棒には3つのフォームを用意されておりフォームごとに強攻撃の仕様が変わります。

最初に解禁されているスマッシュは強力な叩きつけを素早く繰り出せます。長押しするとダメージアップとノックバック。次に解禁されるピラーは如意棒を地面に刺してその上に立ってから叩きつけ。立っている間はスタミナゲージを減少しつづけるかわりに、如意棒が被ダメージを肩代わりしてくれますが、ダメージを負うとスタミナが一気に消耗。Wukongが直接被弾すると肩代わりはされません。長押しすると如意棒が伸びてWukongがより高く移動するので回避できる攻撃が増えます。最後のスラッシュは解禁できなかったのですが、ゲーム内デモを見ると回避に特化している印象でした。

方術はクールダウン制でMPのようなものはありません。デモ版で使えた方術は2つ。まずは一定時間相手の動きをフリーズさせる技。シンプルで使いやすく敵をタコ殴りにできます。

もう1つは討伐したあるボスキャラに変身するという強力な技。このボスの攻撃は炎属性で、相手を殴り続けていると炎上の持続ダメージを与えられます。攻撃そのもののダメージも高く、変身中は被弾してもWukongのHPは減らないので強気に攻めることもできます。クールダウンは長め。

嬉しい仕様なのが、変身中も他の方術のクールダウンは減っていくので、変身前にフリーズを使っておけば変身解除後にはフリーズが再使用可能になっていた点。おかげで変身解除後は手数を全て出しきってしばらくは耐えのターンみたいなことはありません。これが気持ちいい。

『Black Myth: Wukong』のアクションは全体的に気持ちがよく、Unreal Engine 5によるグラフィック性能も高くて全体的に高いポテンシャルを感じられるゲームとなっていました。Steamでも現在のWishlistでNo.1に君臨するなど前評判も高く(色々な理由が重なった結果)、発売後に一体どのような神プレイがコミュニティから生まれるか楽しみです。

『Black Myth: Wukong』は、PS5/PC向けで2024年8月20日にリリース。Xbox Series X|Sでもリリース予定です。

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