「一頭でも多くの犬たちを救うため」保護活動家が協力、日本動物医療センターの保護活動への取り組みとは

ここでは、犬と、犬を取り巻く社会がもっと幸せで素敵なものになるように活動している方々をレポートします。

今回は、2009年に犬の保護活動を開始して以来、1500頭の犬たちの命を救い譲渡を行ってきた小野早希惠さんの活動について紹介します。

1回目の記事|音楽家、看護師など多彩な顔をもつ保護活動家の、保護活動への思いを聞いた

一頭でも多くの犬たちを救うため、他県とも連携して命のバトンをつなぐ活動

取材当日、5年前に沖縄県の保護活動家から引き継いで東京で譲渡したなつちゃんと再会。幸せになった姿を見て喜ぶ小野さん

保護活動家の小野早希惠さんは、東京都での保護活動を皮切りに、現在は関東から南は四国、沖縄県でも保護活動を展開。現地のボランティア団体などと提携して、保護犬を東京に空輸して新しい家族を探す活動もしています。

小野さんと協力し合っている機関のひとつに東京都渋谷区にある日本動物医療センター(以下JAMC)があります。JAMCは沖縄県宮古島に社会貢献病院を作り、「宮古島動物病院」として現地の保健所などに収容されている保護犬に予防医療(予防接種やワクチン、避妊去勢手術、マイクロチップの挿入)を施す取り組みをしています。

小野さんはJAMCのシェルタークリニックに来た保護犬たちの譲渡を担当。右はシェルタークリニック院長の瀬尾和馬先生、左は獣医師の古川哲也先生。二人は多くの保護犬の命を救ってきました
小野さんが協力しているJAMCのシェルタークリニックの保護犬専用の部屋
瀬尾院長先生は、宮古島のボラさんが保護した犬を家族に迎えました。現在4才のきびっちょちゃん
古川先生も同じく宮古島の保護犬を迎えました。子犬のころに保護されたトッティちゃん4才

現在までにJAMCが宮古島から東京に搬送した保護犬は100頭を超えているとのこと。
「JAMCは、2020年には人用の救急車を改造して移動型往診・手術車にして島内の保護犬・猫に医療を広く提供する活動もスタートさせています。こうした取り組みをする動物病院がJAMCに続いてもっと増えてくれたら」と小野さん。

宮古島から来て現在皮膚病を治療中のバニラちゃん(推定8才)
小野さんは茨城県動物指導センターの保護犬たちを多数譲渡したあと、犬たちの幸せ報告としてカレンダーを作りセンターに届けました

出典/「いぬのきもち」2024年2月号『犬のために何ができるのだろうか』
写真/田尻光久
写真提供/小野早希惠さん
取材・文/袴 もな
※掲載の情報は「いぬのきもち」2024年2月号発売時のものです。

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