北陸新幹線の延伸「米原ルート」を改めて否定 与党整備委員会は「小浜・京都ルート」の着工目指し一致結束

北陸新幹線・福井県の敦賀より西、新大阪までの延伸に向けて、与党の整備委員会は18日、今年度初めての会合を開きました。石川県内では米原へ延伸する「米原ルート」の再検討を求める声が上がる中、委員会は現行の小浜・京都ルートでの一日も早い着工を求めて一致結束しました。

3月に福井県の敦賀駅まで開業した北陸新幹線ですが、その先の新大阪までの区間をめぐっては、2016年に与党のプロジェクトチームが福井県の小浜市から南下し、京都市を通るルートに決定しています。

一方、再検討を求める声が強いのが滋賀県の米原駅で東海道新幹線に接続する米原ルートです。

建設コストが比較的少なく済むとされるほか、小浜・京都ルートではトンネル工事による地下水などへの影響が懸念されるとして、京都府で反発が強まっていることから、県内でも南加賀の市長や多くの県議から米原ルートの再検討を求める声が上がっています。

18日開かれた与党の整備委員会では、米原ルートについて東海道新幹線への乗り入れなど技術的な問題があるとして改めて否定しました。

北陸新幹線敦賀・大阪間整備検討委員会 西田昌司委員長「作ったところで運用できるか。少なくともシステム上の問題、東海道新幹線のキャパシティの問題で乗り入れできない、乗り換えしないといけない。もともと我々が検討したときもそうだったが、今回もそれを超える答えが出なかった」

整備委員会は、現行の小浜・京都ルートで、詳細な駅の位置などを示すよう、国土交通省と建設主体の鉄道・運輸機構に指示したと明らかにしました。

詳細なルートの選定後には着工に必要な環境影響評価の正式な手続きに入る見通しで、今後は、2025年度中の着工に向けた事業費が予算に盛り込まれるかどうかが焦点になります。

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