高岡・土蔵造りのまち資料館を芸術家に創作活動の場として提供“アーティスト・イン・レジデンス”

芸術家に創作活動の場を一定期間提供する「アーティスト・イン・レジデンス」が高岡市の「土蔵造りのまち資料館」で行われ、先週、その作品の展示が行われました。

これは、この資料館の指定管理者をつとめるデザインとマーケティング会社が「違う目線で伝統建築を見てもらい、何度も足を運んでもらおう」と開いたものです。

「土蔵造りのまち資料館」は、かつて綿糸や綿布の卸売業を営んだ高岡屈指の商家旧室崎家で、黒しっくいの外壁や防火壁など土蔵造りの特徴が色濃く残っています。

今回の「アーティスト・イン・レジデンス」には国内外の4人が参加し、自身の作品を通じ施設や地域の魅力を伝えました。

このうちボルネオ島在住のマレーシア人造形作家、サージーさんは、高岡で採集した木のツルを使い輪を描き、「ポータル」という作品をつくりました。

*マレーシア人造形作家 サージーさん
「地域の人に手伝ってもらい、高岡のつるを採取してこのポータルに使っている」

ボルネオでは、ジャングルから調達した素材や廃棄された人工物を使って彫刻作品を製作しているサージーさん。
高岡に滞在する中で、伝統を尊重し残していこうとしている姿に感激したと言います。

*造形作家サージーさん
「高岡の日本庭園の中でこのポータルを境界に、手前は日本、奥はボルネオを表現した。このポータルは高岡の文化とボルネオの文化が混ざりあってできた作品」

主催した東海文香さんは、作品を通じ町の新しい一面に気づいてもらい、高岡の魅力を知ってもらえたらと話します。

*東海文香さん
「高岡の文化や暮らしを知ってもらい、ファンになってもらい、高岡を広めてもらうきっかけになればと思いレジデンスを企画した」

*来場客は
「この庭と作品がマッチしていて、溶け込んでいてよかった」

この「アーティスト・イン・レジデンス」は、今年9月にもフランス人作家を招いて開催される予定です。

「アーティスト・イン・レジデンス」による高岡で得たインスピレーションやアイディアから制作された作品を通して国内外に高岡の街の魅力が発信されることで、地域おこしにつながることが期待されています。

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