危険な暑さから球児を守れ 選手ファーストで進む熱中症対策

夏の高校野球シーズンがやってきました。炎天下で行われる地方大会での対策が進んでいます。

18日に行われた、「第106回全国高校野球選手権」三重大会の組み合わせ抽選会。 参加する62校の対戦相手が決まりました。 去年の優勝校である「いなべ総合」は、「尾鷲高校」と対戦します。 三重大会は7月5日に開会式で決勝戦は28日に行われます。 “炎天下”で行われる、夏の地方大会。 熱中症対策が進んでいます。

三重大会では、試合回数を減らして対策

三重大会では、これまで1つの球場で1日3試合開催してきましたが、今年は熱中症対策で、1日2試合の開催となります。 熱中症対策として、今年は1日の試合数を減らします。 また少しでも涼しい時間帯に試合を行うため、第1試合をこれまでより15分早い、午前8時45分から、第2試合を午前11時15分から行います。

熱中症対策の講習会

抽選会と合わせて行われたのが、熱中症対策の講習会です。 今年初めて行われ、各チームの監督やキャプテンが出席しました。 「いよいよ自分たちの夏が始まるという気持ちがあるので、すごくワクワクしている。去年は自分自身も終盤で足をつって、悔しい思いをした」(宇治山田商業高校3年 伊藤大惺キャプテン) Q.足をつった原因には暑さもあったか 「そうですね。緊張もあったし、日中の試合だったので、暑さが関係していると思う」(伊藤キャプテン)

熱中症対策は選手以外にも…

選手だけでなく、「審判」の熱中症対策も欠かせません。 試合前に審判に配られているのが、シャーベット状のスポーツドリンク「アイススラリー」です。 今年は配る回数を増やします。 5回終了後に10分間、選手たちが水分補給を行う「クーリングタイム」にも、審判に「アイススラリー」を配ります。 こうした熱中症対策の強化について、三重県高校野球連盟は―― 「三重大会の球場では去年、熱中症で救急搬送された件数が4件ある。去年は、選手が試合中に何人か足をつるということもあり、熱中症対策の必要性を実感した」(三重県高校野球連盟 栗谷佳宏理事長)

選手ファーストな試合を目指す

「まずは選手ファースト。これを常に考えている。できるだけベストな環境で戦えることを考えていろんなことをやっている。選手には悔いのないように戦ってほしい」(栗谷理事長) このほか、今年は天気にかかわらず、開会式は屋根がある会場で行われます。

4月から始まった「熱中症特別警戒アラート」

5月、愛知県高校野球連盟が愛知大会の熱中症対策を発表しました。 4月から運用が始まった「熱中症特別警戒アラート」。 これが発表されると―― 「かなり危険だと判断するので、試合を雨天順延と同様に順延する」(愛知県高校野球連盟 鶴田賀宣理事長) 試合前日に「熱中症特別警戒アラート」が発表された場合、試合を中止し順延します。 三重と岐阜の高野連も同様の対策を行うとしています。

夏の甲子園では“2部制”を導入

8月7日に開幕する夏の甲子園、「全国高校野球選手権大会」では、開幕から3日間に限り、試合を午前と夕方に分けて行う2部制を導入します。 午前の試合が終わったあと、いったん観客も退場させるということです。 夏の風物詩「高校野球」。 熱中症への意識が年々、高まっています!

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