線状降水帯が発生しなかった理由は?気象予報士が解説 鹿児島県

梅雨前線の影響で九州南部では、17日夜から線状降水帯発生のおそれがありましたが結果的に発生せず、人的な被害も確認されていません。
しかし、九州南部は各地で雨が激しく降りました。

鹿児島市でも未明に雨脚が強まり、18日朝の交通に影響が出ました。

池田政昭記者
「午前3時の鹿児島市内です。強い風とともに大粒の雨が吹き付けています」

鹿児島市の18日午前3時ごろの様子です。
排水溝からは水が激しく噴き出し、雨が地面を強く打ち付けています。

鹿児島市の新川では、消防隊員が水位を確認するため、警戒にあたっていました。

消防隊員
「さっきまでは『避難氾濫水位』の手前くらいでしたが、だんだん下がってきました」
「山手の方の降水量が上がったときに、川の水位だけいつの間にか上がっていることがあるので、そこは気をつけないといけない」

薩摩大隅地方と種子島屋久島地方は、17日夜から梅雨前線の活動が活発化し、18日明け方にかけて、発達した雨雲が断続的にかかりました。

17日から18日朝にかけての総雨量は、屋久島町小瀬田で227.5ミリ、南種子町上中で160.0ミリ、鹿児島市でも121.5ミリを観測しました。

この大雨の影響で交通の一部が乱れ、通勤通学の時間帯に影響を及ぼしました。

轟木康陽記者
「JRではダイヤに一部乱れが生じていて、駅には列車の運行を待つ学生の姿があります」

JR鹿児島中央駅の改札前では、通勤・通学客たちがスマートフォンで運行情報を確認していました。

高校生
「列車が遅延して、いま遅刻しています」
「いつもより1時間くらい遅くなりそうです」
「雨の影響で、学校に行くのが遅れちゃったので迷惑です」
「始発に乗る人は1時間くらい待っていたので困ります」

その後、九州南部の天気は急速に回復し日中、鹿児島市では日差しが出る時間帯もありました。
気温も上がり、鹿児島市では真夏日一歩手前の29.1度を観測しました。

一方、九州南部に大雨をもたらした梅雨前線は奄美地方にまで南下し、19日にかけて奄美地方に停滞する見込みです。

現在、雨は小康状態となっていますが奄美地方では6月10日の降り始めからの総雨量が、徳之島の伊仙町で605.5ミリ、徳之島の天城町で493.5ミリとなっていて、伊仙町、天城町、与論島などで平年の6月ひと月の降水量を超えています。

降り続いた雨で地盤が緩んでいるため、今後、少しの雨でも土砂災害が発生するおそれがあります。
十分注意してください。

ところでみなさんも気になっていたかと思う線状降水帯ですが、幸い、発生しませんでした。

なぜ発生しなかったのか、今回の大雨の特徴を踏まえて中俣気象予報士の解説です。

※詳しい気象情報は、動画をご覧ください。

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