20代のみんな教えて! 徳島大×デジ編 デジタル版への距離縮めたい

意見を交わす徳島大生とデジタル編集部員=徳島大

 「記事は読まれているのだろうか」「そもそもサイトの存在は知られているだろうか」「最近の20代、30代って何に興味があるんだろう」

 徳島新聞デジタル版に関わっていると、そんな疑問が湧いてくる。業務中はパソコンやスマートフォンとにらめっこするばかり。画面の向こう側にいる人たちが、どんな考えなのか見えてこない。部内で議論するときに出てくるのが、「こんな記事がいいのでないか」「こういうのが読まれるだろう」という想像。確かな「声」を聞こうと、会社を飛び出した。

 まずは20代のリアルを探るため、徳島大総合科学部の小田切康彦准教授(地方自治)の協力を得てゼミの学生と意見を交わした。

 参加してくれたのは3年生5人と大学院生1人。出身は徳島県内と県外が3人ずつ。

 単刀直入に聞く。徳島新聞デジタル版のサイトを見たことがあるか―。全員がなかった。だが交流サイト(SNS)を通じて徳島新聞とはつながっていた。

 X(旧ツイッター)で徳島新聞をフォローしていたり、LINEニュースで友だち登録をしている人もいた。フォローしている理由を尋ねると、「徳島の情報が知りたいから」。

 普段ニュースとの関わりがないわけではない。スマートニュースやYahoo!ニュース、テレビのニュース番組などから情報を得ている。就職活動が本格する年代というのもあるのだろう。さらに詳しく知りたいことがあれば、グーグルなどの検索を活用し、情報収集を行うという。

 「読みたい記事があっても、鍵がかかっていて読めない。有料会員になってまで読もうとは...」。よく言われる言葉が、ここでも聞かれた。一方でほとんどの人が、動画のサブスクリプション(定額利用)を利用していた。好きなものや関心のあるものにはお金を惜しまないようだ。

 ならば、関心のある記事があればお金を払うのかと聞くと、「他のサイトだと無料で読めるから」。無料の情報が無数にあふれるネットの世界にあって、課金してもらうのは容易ではない。料金が必要ない無料会員についても、登録に手間がかかり、個人情報を入力することへの抵抗があるそうだ。

 他にも、印象的な意見があった。訪ねてくる新聞社の人は「年配のおじさん」と思っていたようだ。そんなイメージが自然にあるのだろう。今回、訪れたデジタル編集部員は20代と30代の女性2人。そんなイメージを払拭していくことも、デジタル版への距離を縮めるためには必要なのかもしれない。

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