Appleの生成AIは期待外れか iPhoneの中で処理、ChatGPTと連携、識者の評価は

Appleが開発した生成AI(人工知能)「Apple Intelligence」。ユーザーのプライバシー保護を強調しており、クラウド上ではなくデバイス上で処理する点が特徴の1つだ。より多くの処理能力を必要とする場合は、プライバシーを保護しながらクラウド上で実行される。

一部メディアでは同社の生成AIを期待外れだと報じている。J-CASTニュースBizは、スマホ・ケータイジャーナリストの石川温氏に見解を尋ねた。

Androidとのプラットフォーム競争ますます面白く

石川氏は、iPhoneの中でAIが処理をする点を「独自性」が高いと評価する。「個人のプライバシーを最大限に保護しつつ、複数のアプリをまたいでデータをやり取りするなどのAIは、まだ他では提供されていません」。

Appleの生成AIがChatGPTと連携できると強調する報道もある。だが、ChatGPTとの連携は「オマケ的な要素」だと、石川氏は指摘する。Googleの生成AI「Gemini」などにも対応する可能性を、Appleは示唆しているという。

Appleの生成AIによって、同社の音声アシスタント「Siri」の機能も向上する。複数のアプリをまたぐ作業をSiriに任せることができ、操作の手順も減る。

「きちんと『Apple Intelligence』で独自性を出しつつ、他の生成AIにもつながるようになっており、幅広い人に満足感を得られる仕様になっている」

AppleとAndroidのプラットフォームの競争はますます面白くなると、石川氏。GoogleはGeminiという大規模言語モデルを開発しつつ、スマートフォン向けに反応が早いクラウド版やスマートフォンに内蔵できるものを開発しているという。

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