「タンス預金」はいくらから税金がかかる?贈与税・所得税が発生する条件とは?

タンス預金は贈与税や所得税に注意

タンス預金は、源泉徴収された給料から貯金していれば金額にかかわらず税金は基本的にかかりません。源泉徴収によりすでに所得税が引かれているためです。

もし誰かから受け取ったお金でタンス預金をしていた場合は、贈与税の対象になる可能性があります。また、自分が稼いだ収入でも、源泉徴収されていなかったり個人事業主が確定申告をしていなかったりするお金は、所得税の対象となるため注意が必要です。

贈与税が発生する条件

国税庁「タックスアンサー(よくある税の質問)No.4402贈与税がかかる場合」によると、「贈与税は、その年の1月1日から12月31日までの1年間に贈与を受けた財産の合計金額から暦年課税にかかる基礎控除額110万円を差し引いたのこりの額に対してかかります。」とされています。

また、「110万円」という金額は、もらった人ごとの合計ではなく受け取った側の合計金額です。

例えば、1年の間にAさんから80万円、Bさんから90万円、Cさんから100万円を受け取ったとします。それぞれの人物から受け取った金額自体はすべて控除額の範囲内ですが、全員の贈与額を合計すると270万円で控除額を超えているため、贈与税の対象です。

タンス預金も同様で、誰かから受け取ったお金をタンス預金として保管していた金額が110万円を超えていると、贈与税の対象とみなされる可能性があります。タンス預金は口座のように受け取ったときの履歴が残らないため、税務調査が入った段階での合計額をその年に受け取った贈与として扱われるケースもあるため、注意しましょう。

もし実際には数年にわたって控除額の範囲内で受け取っていたとしても、証明ができなければ税務署側には正しいかどうか判断ができません。金額が大きいほど調査される可能性も高くなりやすいので、贈与をタンス預金にするときは贈与契約書を使用したり口座を介してお金を受け取ったりするなどの対策をしておくことをおすすめします。

所得税が発生する条件

所得税は、自分が稼いだ所得に対して課される税金です。会社勤めの方で副業もしていない場合は、会社側で源泉徴収をしているため給料をタンス預金に回しても基本的に税金は発生しません。

しかし、副業で行っている方は20万円超、個人事業主なら48万円を超える収入があると確定申告が必要です。副業をしている方や個人事業主の方が、申告が必要にもかかわらず得た収入のうち確定申告していないお金をタンス預金に回すと、所得を意図的に少なく申告したとして税務調査が入るケースがあります。

もし確定申告後にタンス預金に回した金額分の加算を忘れていたことに気づいたときは、なるべく早く修正申告を行いましょう。税務調査のあとに修正をすると、不足分の所得税のほかに過少申告加算税が追加される恐れがあります。

贈与税や所得税の申告手続き

国税庁「申告と納税」によると、贈与税の申告は、贈与を受け取った次の年の2月1日~3月15日の間に申告書の提出が必要です。一方、所得税の確定申告は2月16日~3月15日の間に申告書を提出します。

タンス預金をするときは税金の対象にならないか確認しておく

タンス預金は、保管しているお金の種類によっては税金の対象になる可能性があります。年に110万円以上のお金をもらってタンス預金に回したり、これまでの積み立てで110万円以上のタンス預金があったりする場合は贈与税の対象にならないか確認しておきましょう。

副業や個人事業主として収入を得ている方は、タンス預金が所得税を過少申告するための所得隠しとして疑われるケースがあります。必ず、その年に得た収入の全額を確定申告しましょう。

贈与税も所得税も、2月から3月にかけて申告書を提出します。なるべくスムーズに提出できるように、早めに済ませることをおすすめします。

出典

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問) No.4402 贈与税がかかる場合
申告と納税

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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